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SUNABIマガジン

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すなびコットンプロジェクト

 

毎年5月、砂浜にたくさんのTシャツがひらひらと風に舞う「Tシャツアート展」。そのTシャツは、すべてオーガニックコットンで作られています。
オーガニックコットンとは、農薬を使わず、人と自然にやさしい方法で作られたコットンのこと(*1)。Tシャツの色は自然のままの生成(きなり)色。だからこそ、1,000枚近くのTシャツが砂浜に並んでいても不思議と馴染み、ひとつの美しい風景となります。

私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。
美しい砂浜のために、私たちができること。

 

一粒の種から始まる「すなびコットンプロジェクト」

「すなびコットンプロジェクト」は、Tシャツアート展のTシャツの素材にフォーカスし、以下の3つを軸にしています。

•つかう:Tシャツアート展でオーガニックコットンを使用する
•育てる:コットンの種を蒔き育てる
•めぐる:着古した作品Tシャツを回収し紙や布へリサイクルする

きっかけは、Tシャツの生地を作っていただいている株式会社アバンティさんの「国産綿復活プロジェクト」でした。 コットンを日本各地で育て、国内自給率を0%から1%に引き上げたい。国内で綿を育てることで、気候変動対策にもつなげたい――。そんなアバンティさんの想いに共感し、砂浜美術館でも種を蒔いてみることになりました。

 

育てる たねのわ

種まきの時期は、ちょうどTシャツアート展が開催される5月。 会場でコットンの種をプレゼントし、育てて収穫できたらお持ちいただく、という参加型のプロジェクトです。集めたコットンは、Tシャツアート展のTシャツや衣料品に活用されます。現在では一般の方のほか保育所や高校、福祉施設など色々な場所で栽培が行われています。
2025年は約20kg(Tシャツにすると約24.6枚分)のコットンが集まりました。

Tシャツがもともとは土で育った植物だということ、色んな人の手間暇をかけて作られていること。実際に種を蒔いて収穫してみると、沢山の気づきがあり、1枚のTシャツに対する見方がガラリと変わります。育ててみることで、コットンの気持ちよさや貴重さがよくわかります。

 

ふわふわの綿を、小さな子どもから学生、お年寄りの方々が「初めて見た!」「ふわふわ!」「きもちいい!」と夢中で収穫。畑という小さな自然に触れる体験が五感を刺激します。

 

オーガニックの畑には、小さな生き物がたくさん。カエルやカマキリ、てんとう虫はコットンを外敵から守ってくれる大切なパートナー。

 

支援を必要とする人たちが通う「地域活動支援センターくろしお」さんや、「あったかふれあいセンター」の方々に、コットンの選別や、種の袋詰めをお願いしています。

 

めぐる もったいないTシャツ募集

砂浜をひらひらした想い出のつまった作品Tシャツ。もう着られないけれど捨てるのはもったいない。そんな「もったいないTシャツ」が、ご家庭のたんすに眠っているのではないか?ということで、Tシャツの回収も始めました。集められたTシャツは、衣料品や紙へとリサイクルし、また誰かのもとへと旅立ちます。

 

黒潮町の小学生が作品を描く画用紙には、繊維の廃棄物からつくられた、サーキュラーコットンペーパーを使用しています。

 

毎年たくさんのTシャツが砂浜をひらひらするTシャツアート展。 その一枚一枚が生まれる背景にも責任を持ち、来館者や地域の皆さんと一緒に「人と自然のつきあい方」を考えていきたい。
一粒の綿の種から始まる小さな循環が、いつまでも「美しい砂浜が美術館です。」と言える未来につながりますように。

 

●註
*1 一般的なTシャツには、多くの農薬や脱色剤、染色剤が使われています。その農薬は、川へ、海へと流れ出ていきます。農薬まみれの農場で、学校に行けない子どもたちが労働していることも珍しくありません。砂浜美術館では農薬を使わず、児童労働にも関与していないオーガニックコットンを選択しています。