黒潮町とトンガをつなぐ、ランドセルとHIRA HIRA:プロジェクトレポート

フアモツ小学校でのランドセル寄贈式

↑フアモツ小学校でのランドセル寄贈式

トンガとつながろう!

黒潮町とトンガの出会いは、2016年11月の『「世界津波の日」高校生サミットin黒潮』。世界29か国と全国から、363名の高校生が黒潮町に集まったこの国際サミットに、トンガからの高校生の姿もありました。そして、「せっかくできた海外とのつながりを、どうにか継続できないか」という町民の声。そこで多くの関係者の方々のご支援のもと、このサミットでご縁のあった、トンガの子どもたちへランドセルを届けよう!というプロジェクトが、婦人連合会やPTA連合会、小・中学校の協力で生まれたのです。ただの物資支援ではなく、思い出いっぱいのランドセルで、トンガの子どもたちへ笑顔を届ける、心と心をつなぐプロジェクト。ランドセルを通して、黒潮町の人もトンガの人も笑顔になれる「みんながハッピーなプロジェクト」が合言葉です。

↑子どもと家族が提供してくれた思い出いっぱいのランドセルを、メンバーが預かり磨いてピカピカに…

↑50個のランドセルを段ボールに詰め、船便で、いざトンガへ!トンガの子どもたちの笑顔に出会えますように(^^)

2017年に始まったこのプロジェクトで、黒潮町の人たちにとって「大切な友達の国」となったトンガ。2018年・今年は、Tシャツの世界旅もトンガへ行こう!と、『ランドセルプロジェクト×Tシャツアート展 in トンガ』を企画しました。

Tシャツでつながろう!

トンガでHIRA HIRAの風景をつくるのなら…Tシャツのつながりを、人と人のつながりに。これまで、気仙沼ケニアベリーズでも企画した「世界とつながるひらひらプロジェクト」。ランドセルを届ける黒潮町の人と、ランドセルを受け取ってくれるトンガの子どもたちを、1つのTシャツでつなぎたい! トンガで小学生に描いてもらうワークショップ用のTシャツに、プロジェクトメンバーにメッセージを入れてもらいました。そのTシャツと、黒潮町の小学生のTシャツ、JICA四国による世界の風景のTシャツ、総勢150枚のTシャツをバッグに詰め(荷物はほとんどTシャツです^^;)、いざトンガへ!

↑クジラやカツオ、Tシャツのスタンプを押して、手書きのメッセージ。楽しんでくださりありがとう!

トンガの子どもたちの笑顔!

トンガに到着した次の日、早速、ランドセル寄贈式を翌週に控えるフアモツ小学校を訪れました。待ってくれていたのは6年生27人。(先生に「Tシャツワークショップ」と聞いて、家からTシャツを持参してくれた子も!)日本の黒潮町から来たこと、Tシャツアート展のこと、メッセージ入りのTシャツを紹介して、いよいよTシャツづくり。「図画工作」の科目がないというトンガ。いきなりTシャツに描くのは、躊躇してしまうかな?という心配無用、ワンポイントのメッセージのまわりは、どんどんカラフルでかわいい絵でいっぱいになりました。

↑「笑」のメッセージTシャツに、スマイルの絵!2人ペアで、わくわくデザイン☆楽しんでくれてありがとう!

↑“I love you Kuroshio”の文字が!イルカの絵や、伝統模様も素敵です。 教室はとってもカラフル☆

↑黒潮町からのメッセージ入りTシャツを紹介。こんな風にひらひらさせるよ。素敵な笑顔をありがとう!

トンガの教員養成学校と、観光局庭で、ひらひら

↑ひらひらの風景の中に、トンガの子どもたちの作品☆訪れたトンガ人アーティストも注目してくれました。

↑天候不良で短時間になった観光局でのひらひらに…なんと、Tシャツ作者の小学生とお母さんが来てくれました!

↑トンガとのつながりのきっかけ、『世界津波の日高校生サミット』で生まれた「黒潮宣言」のTシャツも

トンガの小学生と黒潮町の人をつないだ「合作Tシャツ」が、黒潮町からやってきたTシャツたちと一緒に、トンガの風に吹かれて、ひらひら~。トンガ唯一の教員養成学校(TIOE)と、市内中心部・観光局の庭で、『Tシャツアート展 inトンガ』を開催しました。トンガの伝統的なもようや、トンガ語のメッセージが描かれたTシャツを、トンガの人々も興味深く楽しんでくれました。アート展全体の様子は、また開催レポートで詳しくご紹介します!

ランドセルプロジェクト×Tシャツアート展 in トンガ!

最後のひらひらは、そう、ランドセル寄贈式です☆ 黒潮町の人々とフアモツ小学校の子どもたちをつなぎ、たくさんのTシャツと一緒にトンガの風にひらひらしたTシャツを、ランドセル寄贈式の会場に飾りました。とうとう、ランドセル×Tシャツの風景が、ここに!そしてこの会場で、トンガの教育局の皆さんのご協力により、トンガの教育大臣、在トンガ日本大使館より石井大使ご夫妻もご臨席くださり、盛大な寄贈式が挙行されました。

↑トンガの教育大臣と石井大使ご夫妻。黒潮町長からのメッセージと目録を代読。まずは石井大使より校長先生へ。

↑一つひとつのランドセルを子どもたちへ。輝く笑顔で受け取ってくれました(^^) 赤は男の子にも人気☆

↑伝統舞踊でおもてなしをしてくれました。艶々の肌はオイルで、その肌に踊り子へのチップを貼るのが文化!

↑Tシャツを作者のもとへ。子どもたちにとっては、1週間ぶりの再会です(^^)v お礼のお土産もありがとう!

↑子どもたちと先生や保護者、錚々たるご臨席のみなさんとの集合写真☆があるのは、教育局のアナさんのお蔭です!

黒潮町より教育次長や婦人連合会会長等が出席した、昨年のランドセル寄贈式に続き、教育大臣、日本大使がご臨席くださった今回の寄贈式。1つの小さな町の取り組みを国として大切にし、受け入れてくださったトンガの人々のあたたかい気持ちに、感謝でいっぱいです。NPO団体として、黒潮町を代表しながらここに出席させていただいた今回の経験は、砂浜美術館にとっても大きな宝物です。ここにご参加くださった全てのみなさん、そして、ランドセルの受け取りや保管・フアモツ小学校での事前ワークショップや寄贈式・ご臨席いただいた方々への案内など、全てにおいてご尽力くださった教育局のアナさん、この素晴らしい機会を、本当にありがとうございました!最後に、黒潮町長からのメッセージ・目録(抜粋)と、代読の後に加えた、砂浜美術館 西村・中野からのメッセージを、ご紹介します。


2016年、高知県黒潮町にて開催された「世界津波の日」高校生サミットin黒潮をきっかけに「ランドセルプロジェクト」を始め、昨年はムア小学校へランドセル50個を寄贈することができました。ランドセルを贈った日本・黒潮町の小学生や保護者、その取り組みを行った婦人連合会及びPTA連合会も、トンガの子どもたちにランドセルを喜んで使っていただいて幸せな気持ちになれました。「世界津波の日」高校生サミットin黒潮の参加国であり、高知県ともラクビー(2019ワールドカップ事前キャンプ地)を通じて、ご縁のある「トンガ王国」との交流・友好関係を、今年も継続するとともに理解をさらに深めたいと思っております。つきましては、トンガ王国と日本・黒潮町との交流・友好関係のさらなる発展を願いまして、トンガ王国の小学生に「ランドセル」を寄贈いたします。
【黒潮町長 大西勝也】

今回、こうしてフアモツ小学校の子どもたち、先生や人々と出会うことができ、とてもうれしく思います。ランドセルには、黒潮町の子どもたちや家族の思い出がたくさんつまっています。このランドセルが、フアモツ小学校の子どもたちの笑顔に出会い、今日から、彼らの幸せな思い出でいっぱいになることを願っています。ランドセルプロジェクト・Tシャツアート展を受け入れてくださった全てのみなさんに、感謝しています。心から、「(トンガ語で)どうもありがとうございます。ここにいるみなさんと、トンガの人々が大好きです。」
【砂浜美術館 西村・中野】

↑フアモツ小学校で出会った子どもたち。ここにランドセルがあり、今日もみんなが元気で、笑顔でありますように!

↑道中で出会った大きな木にヤシの木、穏やかな風景。教育局にて、ランドセルの大箱。保管くださりありがとう!