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「“安全”や“健康”といったことから無農薬を始めたわけではなく、
周りに住んでいる生きもののことを考えていると
自然とそうなったんです」
「元気に泳ぎまわる田んぼのメダカを見ていると、農薬をまく気にはなれなくて・・・、メダカ米という名前はそこからつけました」 そう語ってくれたのは、黒潮町の山間地にある“馬荷”と呼ばれる小さな集落で、無農薬のお米を作り続けて今年で15年目になる千葉洋さん。

↑千葉さんがつくる田んぼには、本当にたくさんの生きものが暮らしています
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そんな千葉さんのお米作りは、収穫量分の稲わら、籾殻、米ぬかを田んぼにすべて還元し、しっかりとした土を作るところから始まります。
これは、ただ良い土を作るというためだけではなく、“田んぼから恩恵を受けるだけでなく、田んぼとそこに暮らす生きものと対等な立場でありたい”という想いから始めたこと。
そして結果として、その健康な土は健康な稲を育て、手押し除草機による除草を丹念に行えば、田んぼはちゃんと美味しいお米を実らせてくれる。これが千葉さん流の考え方。
大学を卒業後、大手食品加工メーカーに勤務していた千葉さんは26歳で退職。その後は世界各国を転々と旅し、また、青年海外協力隊として2年間アフリカのザンビアで働きました。
「ザンビアの人びとは本当に逞しく、彼らの生きる力に魅了されました。そして、それに比べて自分は何て生きる力がないんだ」と、
そのザンビアでの経験・学びが、自然の中で暮らし、生活のすべてを自分の手で創造する生き方へのきっかけだと千葉さんは言います。
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帰国後は、衣食住の自給自足暮らしを模索。そんな中でたどり着いた京都の家具専門学校で木工の技術を習得した後、18年前に関西より黒潮町に移住し工房「ポレポレ」(東アフリカで広く使われるスワヒリ語で「のんびり」や「ゆっくり」という意味)を開きました。
クギを使わないほぞ組みや、自然の枝ぶりや節を活かした千葉さんの作品には、米作りと同じように自然との丁寧なつきあい方が溢れています。
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夢だった「自産自消」の暮らしを、一つひとつ丁寧に実践している千葉さん。千葉さんと話をしていると、その優しい語り口に心のしなやかさ・豊かさを感じる。きっとこれが“自然と対等な立場を”と想い、実践しているということなのだろう。最後に、これからの目標をお伺いすると、「肩肘張らずに、毎日の暮らしを楽しむことですよ」と笑顔で答えてくれました。
もうすぐでメダカ米が収穫時期をむかえる。今年も千葉さんの想いに応えるように、自然が豊かな恵みをもたらしてくれるに違いない。
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千葉 洋(ちば ひろし)
「自産自消」の暮らしを目的に高知県黒潮町に移住。
小さな生きものを守りたいと、農薬や化学肥料、除草剤などをいっさい使わず、
安心・安全な農の実践を続けている。
暮らしのおすそわけ
千葉洋さんが育てているメダカ米の新米(9月末~10月上旬収穫予定)を、すなびギフトとして少量ですが販売することになりました。ご希望の方は、10月13日(日)までに「すなびてんぽ」にてご注文ください。
※千葉さんより、斑点米について
毎年カメムシが発生いたします。それに伴いお米に黒ずんだお米が混入します。鳥などが熟したお米を食べる分には跡が残らないのですが、虫の場合はお米がやわらかいうちに養分だけを吸うので、その跡が黒く残ってしまいます。ただ、斑点米をほとんど出さないためには、農薬を散布し、カメムシを駆除しなければなりません。それをしてしまいますと、その他多くの小さな生き物を殺してしまいます。何卒ご理解のほど、お願い申し上げます。
千葉さんのメダカ米(玄米)
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価格 | 2,300円(税・送料込み) |
内容 | 玄米2kg |
締め切りました