人と動物、長いつきあいを目指して:大方ホエールウォッチング

漁師さんの操る漁船でいく大方ホエールウォッチング

↑漁師さんの操る漁船でいく大方ホエールウォッチング

クジラに逢えるまち、高知県黒潮町

高知県幡多郡黒潮町に広がる土佐湾は、黒潮による温暖な気候と、日本最後の清流といわれる四万十川の恵みによって豊かな自然にみちています。そのため黒潮町は、カツオの一本釣り漁をはじめ、古くから漁業が盛んで、自然とうまく付き合いながら暮らす人びとの営みや文化が息づく町です。


カツオクジラ、そしてその仲間たち

優雅な泳ぎのカツオクジラ

↑優雅な泳ぎのカツオクジラ

餌や繁殖場を求めて回遊をするクジラですが、土佐湾の沿岸に住むカツオクジラは、1年中とどまっている個体が多いといわれ、毎年黒潮町で行われている個体識別調査では、現在59頭のカツオクジラが確認されています。
そのため、高い確率で私たちの目を楽しませてくれるカツオクジラは、魚類の「カツオ(鰹)」から名前がついたと言われています。カツオクジラとカツオは、同じ餌(イワシなど)を食べており、大きな体のクジラと一緒にカツオたちは泳ぐことで身を隠しながら、餌場へと移動します。そういったクジラとカツオが一緒にいる光景からカツオクジラと名前がついたとされています。

個性豊かな仲間たち

また、カツオクジラ以外も、200頭近くの群れで泳ぐさまが圧巻のハセイルカ(写真左上)、とても好奇心が旺盛で船が近づくと遊びに来てくれる人懐っこいハンドウイルカ(写真右上)、一方、ウォッチング船が近づいても興味を示さず逃げることもしないマイペースなハナゴウドウ(写真左下)、彼らが群れている場所の近くにはカツオクジラの気配アリ!のオオミズナギドリ(写真右下)など、個性豊かな楽しい仲間たちに出会うことができます。

これからも長いつきあいを目指して

ブリーチングをするカツオクジラ

↑ブリーチングをするカツオクジラ

26年前に小笠原で始まった日本のホエールウォッチング。ここ黒潮町では、全国で2番目に早い1989年8月から事業を開始(大方ホエールウォッチング)。さらに1994年からは毎年クジラの生息調査にも取り組むなど、クジラの保護のために自主ルールを運用しながら今日まで進めてきました。

塩日本クジラ・イルカウォッチング協議会のロゴ

しかし近年、クジラやイルカを観察するツアーは全国に広がり、新しく参入する事業者が増加しているため、6月4日、ここ黒潮町を含む北海道から沖縄までのクジラやイルカのウォッチングを行う関係者で協力して、初の全国組織「日本クジラ・イルカウォッチング協議会(JWDC)」を設立しました。
同協議会では、地域間での情報交換を積極的に行い、クジラやイルカなどの海洋生物をはじめ自然に対して害を及ぼさないような優しい観察の共通ルール作りや、レベルの高いガイドの養成などに取り組んでいくことが決定されました。

人と野生動物、そのどちらにとってもより良い関係を目指す黒潮町の大方ホエールウォッチング。高知へお越しの際は、ぜひ黒潮町まで足を延ばして、野生のカツオクジラやその仲間たちに出逢う“うみのおさんぽ”を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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大方ホエールウォッチング(おおがたほえーるうぉっちんぐ)
黒潮町にある大方遊漁船主会が運営。1989年(平成元年)より事業をスタート。
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