自然と上手くつきあう「しごと」:吉田さんの天日塩と清藤さんの塩壺

吉田さんの天日塩と清藤さんのクジラの塩壺

自然と上手につきあいながら暮らす人びとがいます

大地、太陽、風、海・・・、その自然と上手につきあいながら暮らす人びと。そんな人びとの営みの一つひとつを、私たち砂浜美術館は大切な「作品」と呼び、また、私たちの住む黒潮町というまちの風景をつくっています。

今回は、ここ黒潮町で暮らし、自然と対話をしながら「しごと」をするお二人の作品をご紹介します。
一つ目は、その道25年の天日塩工房『ソルティーブ』の2代目塩守・吉田拓丸さんが作る天日塩を、
もう一つは、暮らしの器を作り続ける工房『日常屋』の清藤弘晃さんが作る塩壺です。


吉田さんの天日塩

吉田さん家族

「生物は海から生まれ、人間を含め、生物が陸上に適応してからも海に住んでいた頃の記憶を宿して生きています。人間の体液や、お母さんの羊水は、古代の海水の成分と酷似しています。人間は海を体の中に抱えながら生きている、だから塩は人間にとってはないと生きてはいけないものなのです。そして、地球上の全てのものは、長い時間をかけ、やがて最終的に海に還っていきます。塩をつくることでその循環の中にいると思うと、ロマンを感じます」と吉田拓丸さん(写真左)

「土佐の塩丸」の「丸」という字には、その“循環”や“調和”という意味が込められているそうです。

かん水(濃い海水)をつくるところです 攪拌(かくはん)作業

新鮮な海水がどんどん押し寄せる満潮時の表層水をくみ上げ、それを、ハウス内に張ったすだれ状のもの(左写真参照)に通しながら風と太陽の力で適度な濃度になるまで繰り返し、「かん水(濃い海水)」をつくります。

次に「かん水」をろ過し、結晶ハウスの棚に移して、太陽熱で結晶になるまで、夏は最低1ヵ月、冬は2ヵ月以上もかけてかくはん作業を続けます。すると、とろりと濃い水分が徐々に乾燥して固まり、白い結晶が生まれるのです。

海は、地球上のすべてのミネラルが土に染み入り、川を流れて溶け込んだ地球のスープ。このバランスよく溶け込んだミネラルを、時間をかけて一つの結晶の中に閉じ込める。塩辛さに甘味や苦味が混ざった自然本来のうま味を、ぜひご賞味ください。

清藤さんの塩壺

清藤さんの工房

「土器に魅力を感じたことが作陶のきっかけです」と語る清藤さん。

美しいものを作り出そうとして作られたものではなく、あくまで生活(暮らし)に即したかたちで作られていただろう土器。清籐さんが目指すものは、日本古来の土器のように、装飾性よりも“暮らしの道具”としての焼きものをつくること。使う人の生活に溶け込んで、日常の中に自然とそれが存在している。「日常屋」という屋号もそんな想いからだそうです。

塩壺をつくる清藤さん

「ここには土と対話できる豊かな時間があります」

生産性よりも、土の声に丁寧に耳を傾けながら、自然のリズムの中でものをつくっていく。
きっとその過程の中で少しずつ生命が吹き込まれ、使う人はそこに温かさを感じるのだろうと、清藤さんの仕事を見ているとそう思います。

この塩壺は、お塩を入れておくと水分を外に逃がし、サラサラとして固まりにくく気持ちよくご使用いただけます。また、ニンニクやショウガなどの保存にもよく日持ちします。

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吉田 拓丸(よしだ たくまる)
その道25年になる天日塩工房『(有)ソルティーブ』2代目塩守。

清藤 弘晃(きよとう ひろあき)
黒潮町の佐賀地区に工房『日常屋』を構え、暮らしの器にこだわり作陶をつづけている。


土佐の塩丸とクジラの塩壺をギフトにしました

昨年好評だったこのセット。今年は少し違います!
天日塩は、二代目塩守の吉田拓丸さんが、その道20年の両親のこだわりから、さらに自分なりにアレンジを加えた新商品の土佐の塩丸を。塩壺は、清藤さんに砂浜美術館の館長であるクジラをモチーフに、当館オリジナルの塩壺をデザインしてもらいました。
そして今回は、それらを砂浜美術館のギフトBOXに入れ、リボンをかけてのお届けですので、贈り物にもご利用いただけます。

※毎月焼き上げる塩壺に限りがございますので、品切れの際は、翌月までお待ちいただけますと幸いです。
写真の塩壺は通常のサイズとなりますが、ひと回り小ぶりの塩壺とのセットもございます(価格は同じです)。

土佐の塩丸とクジラの塩壺
価格 3,150円(税込)
セット内容 天日塩200g、塩壺1個

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