「ここの土佐ジローには、この綺麗な川水を飲み水に使っています。
天然のわさびも自生する自慢の川なんです」
その川が流れるのは、黒潮町の蜷川(と書いて「みながわ」と読みます)地区。海岸線を走る国道56号線から山手に進路をとり、川沿いの狭い山道を走ること数十分。するとあたりに民家は一件もなくなり、見渡す限り、緑の山々に囲まれます。そんな山あいにポツンと鶏舎が一つ。ここが、金子淳さんの営む「みながわ農場」です。
↑心地よい自然に囲まれ、鶏にできるだけストレスを感じさせない豊かな環境
みながわ農湯で育てているのは、高知県のブランド鶏「土佐ジロー」。
土佐ジローは、天然記念物土佐小地鶏と米国原産のロードアイランドレッドとの一代雑種で、高知県土佐ジロ―協会が定めた飼育環境や飼料の種類をはじめ、さまざまな厳しい規定をクリアしたもののみが、ようやく「土佐ジロー」として認可され出荷することができ、そのため、安心・安全で高品質の鶏として全国でも高い評価を得ています。
↑(写真左、右上)山奥から流れ出る、きれいな山水が川とへ注ぐ(写真右下)自生する天然のわさび
2年前に「みながわ農場」を開いた金子さん。きっかけは、故郷の農家が年々減り、一つひとつ荒れていく田畑を見ながら「こんなにいい環境はもったいない、ここで何かできないだろうか」という想いからでした。とはいえ何をしようか、そんな時にふと、幼い頃に飼っていた馴染みのある鶏を思い出し、高知県のブランド鶏「土佐ジロー」の飼育に至ります。
予算を抑えるために鶏舎は自ら建て、奥さんとの二人三脚で切り盛り。300羽でスタートした農場は、今年で1300羽と徐々に拡大を続けています。
「ここ蜷川地区の川には、ヤマトヌマエビが多く生息していて水を綺麗にしてくれているんですよ。見てください、このように天然のわさびも自生しています」
土佐ジローの飲み水に利用しているという川の案内をうけながら、金子さんは“県内に数多くある他の土佐ジロー生産者との違いはここなんです”と笑顔で話してくれました。
故郷「蜷川」の豊かな自然、そこを流れる幼い頃より慣れ親しんだ自慢の川を語るときの金子さんの表情は清々しく、私はその金子さんを通じて、きっと、これでまた蜷川の風景が未来に続いていくんだなと思うのでした。
金子さんよりおすそわけいただいた土佐ジローの卵。早速、砂浜美術館スタッフで半熟ゆで卵と卵かけごはんをいただきました。土佐ジローの卵は普通の卵より小ぶりで、臭みが無く甘みがあるのが特徴。割ってみると、小ぶりのわりに黄身は大きめでプリッと張りがあり(写真右)、しっかりとした味わいのあるとても美味しい卵でした♪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
金子 淳(かねこ じゅん)
荒れていく故郷の風景を守りたい、活かしたい。
そんな想いを胸に、地元黒潮町の蜷川地区で、
高知県のブランド鶏「土佐ジロー」を育てる「みながわ農場」を経営する。
砂浜美術館スタッフのおいしい
素材がいいと、シンプルがおいしい
新米の炊き立てのご飯に、土佐ジローのたまごをひとーつ。そこに天日塩を少しふりかけただけの「たまごかけごはん」。素材がいいからこそ、シンプルがおいしい。ご飯の味、卵の味、お塩の味、それぞれが邪魔することなく、ちょうどいい。自然とのつながりを感じる大好きな一品です。
小さな生きものたちと共に暮らす:千葉さんのメダカ米
「“安全”や“健康”といったことから無農薬を始めたわけではなく、
周りに住んでいる生きもののことを考えていると
自然とそうなったんです」
「元気に泳ぎまわる田んぼのメダカを見ていると、農薬をまく気にはなれなくて・・・、メダカ米という名前はそこからつけました」 そう語ってくれたのは、黒潮町の山間地にある“馬荷”と呼ばれる小さな集落で、無農薬のお米を作り続けて今年で15年目になる千葉洋さん。
↑千葉さんがつくる田んぼには、本当にたくさんの生きものが暮らしています
そんな千葉さんのお米作りは、収穫量分の稲わら、籾殻、米ぬかを田んぼにすべて還元し、しっかりとした土を作るところから始まります。
これは、ただ良い土を作るというためだけではなく、“田んぼから恩恵を受けるだけでなく、田んぼとそこに暮らす生きものと対等な立場でありたい”という想いから始めたこと。
そして結果として、その健康な土は健康な稲を育て、手押し除草機による除草を丹念に行えば、田んぼはちゃんと美味しいお米を実らせてくれる。これが千葉さん流の考え方。
大学を卒業後、大手食品加工メーカーに勤務していた千葉さんは26歳で退職。その後は世界各国を転々と旅し、また、青年海外協力隊として2年間アフリカのザンビアで働きました。
「ザンビアの人びとは本当に逞しく、彼らの生きる力に魅了されました。そして、それに比べて自分は何て生きる力がないんだ」と、
そのザンビアでの経験・学びが、自然の中で暮らし、生活のすべてを自分の手で創造する生き方へのきっかけだと千葉さんは言います。
帰国後は、衣食住の自給自足暮らしを模索。そんな中でたどり着いた京都の家具専門学校で木工の技術を習得した後、18年前に関西より黒潮町に移住し工房「ポレポレ」(東アフリカで広く使われるスワヒリ語で「のんびり」や「ゆっくり」という意味)を開きました。
クギを使わないほぞ組みや、自然の枝ぶりや節を活かした千葉さんの作品には、米作りと同じように自然との丁寧なつきあい方が溢れています。
夢だった「自産自消」の暮らしを、一つひとつ丁寧に実践している千葉さん。千葉さんと話をしていると、その優しい語り口に心のしなやかさ・豊かさを感じる。きっとこれが“自然と対等な立場を”と想い、実践しているということなのだろう。最後に、これからの目標をお伺いすると、「肩肘張らずに、毎日の暮らしを楽しむことですよ」と笑顔で答えてくれました。
もうすぐでメダカ米が収穫時期をむかえる。今年も千葉さんの想いに応えるように、自然が豊かな恵みをもたらしてくれるに違いない。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
千葉 洋(ちば ひろし)
「自産自消」の暮らしを目的に高知県黒潮町に移住。
小さな生きものを守りたいと、農薬や化学肥料、除草剤などをいっさい使わず、
安心・安全な農の実践を続けている。
暮らしのおすそわけ
千葉洋さんが育てているメダカ米の新米(9月末~10月上旬収穫予定)を、すなびギフトとして少量ですが販売することになりました。ご希望の方は、10月13日(日)までに「すなびてんぽ」にてご注文ください。
※千葉さんより、斑点米について
毎年カメムシが発生いたします。それに伴いお米に黒ずんだお米が混入します。鳥などが熟したお米を食べる分には跡が残らないのですが、虫の場合はお米がやわらかいうちに養分だけを吸うので、その跡が黒く残ってしまいます。ただ、斑点米をほとんど出さないためには、農薬を散布し、カメムシを駆除しなければなりません。それをしてしまいますと、その他多くの小さな生き物を殺してしまいます。何卒ご理解のほど、お願い申し上げます。
千葉さんのメダカ米(玄米)
| 価格 | 2,300円(税・送料込み) |
| 内容 | 玄米2kg |
締め切りました
「すなびてんぽ」ちょっぴりリニューアルしました
すなびてんぽOPEN1周年
いつも砂浜美術館のWEBショップ「すなびてんぽ」をご利用いただき、誠にありがとうございます!
この度、すなびてんぽはOPEN1周年をむかえ、お客さまにより快適にご利用していただきやすい
WEBショップを目指し、一部リニューアルをしました。
①送料を見なおしました
送料が全国一律780円から650円となりました。
②配送時間帯を
細かくご指定いただけます
これまでは午前/午後のみの指定しかお選びいただけませんでしたが、8月より午前/12~14時/14~16時/16~18時/18~20時/20~21時と、お客様のご都合のあわせて、より細かくお選びいただけようになりました。
③すなびてんぽのオリジナル
BOXでお届けします
すなびてんぽのロゴをプリントしたオリジナルのお届けBOXがようやく実現しました。
すなびてんぽのメッセージ

高知県黒潮町の
『ありのままの風景』が
「いつまでもそうあってほしい」
私たちのまちには、自然と上手につきあいながら暮らす、人びとの知恵と営みがあります。
そこから生まれた商品は、人にも自然にもやさしい、
大切な砂浜美術館の作品たちです。
すなびてんぽは、そんな商品を地域のリズムで販売しています。
「1,000いいね!」ありがとう!プレゼントキャンペーン
いつも砂浜美術館の活動を応援いただきありがとうございます。この度、砂浜美術館のFacebookページ「1000いいね!」到達を記念して、アンケートにお答えいただいた中から、抽選で8名様に館長グッズがあたるプレゼントキャンペーンを実施中!
賞品は、非売品オリジナル館長Tシャツ1名、館長てぬぐい1名、ニタリクジラのフィギュア1名、ポストカード2枚組5名となっています。締め切りは2013年7月20日、ぜひご参加ください!
キャンペーンは終了いたしました!多くの方にアンケートにご協力いただきありがとうございました。


