第31回潮風のキルト展

第31回潮風のキルト展

第31回潮風のキルト展

日時 :2025年11月14日(金)~16日(日)10:00~15:00

場所 :砂浜美術館(高知県黒潮町 入野松原)※雨天:ふるさと総合センター

Patch-Work-Lifeさん

審査員 :Patch-Work-Lifeさん

【プロフィール】
『あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。』をテーマに、インテリアデザイナーとグラフィックデザイナーの目線で創りだすあたらしい「デザイン×パッチワーク」のカタチを発信しています。

【総評】
今年も「潮風のキルト展」の審査を担当させていただきました、Patch-Work-Lifeです。私たちは2016年からこの砂浜で審査を続けていますが、風の匂いも、光の色も、作品との出会い方も、毎年少しずつ違います。同じ場所に立ちながらも、いつも新しい発見があります。

今年は「作者それぞれの“布を楽しむ”姿勢」に目を向けて審査を行いました。一枚の布をどう重ね、どう生かすか。その背景には、日々の暮らしや作り手の想いが静かに込められています。デジタル作品のように簡単にやり直しができないからこそ、一針ごとに生まれる偶然が、作品の表情をより豊かにしてくれます。この布を選んだ理由や、この色を組み合わせた思い。想像を重ねながら、作り手の時間をたどるように審査を進めました。針が生んだ軌跡の中に、小さなこだわりを見つけた瞬間の喜びを、私たちも共に味わうことができました。布をつなぐことは、時間や想いをつなぐこと。今年もここでしか感じられない潮風の中で、たくさんの作品と出会いました。

あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。
砂浜美術館で並ぶすべてのキルトがひとつにつながり、この場所で紡がれる時間が、これからも多くの人の心に届いていくことを心より願っています。

Patch-Work-Lifeメンバー 一同

入賞作品一覧


【大キルトの部】

潮風大賞 1点(賞金10万円)

夢のせて

タイトル:夢のせて

作者:チクチクパッチの仲間たち(高知県高知市)

【作者メッセージ】
グループで出品するのが3回目!!今回は気球に挑戦しました。色とりどりの気球が空に舞い風を感じてくれるとうれしいです。マイペースの私達ですが、いつまでも夢を追いかける人生でありたい。

16名で創作された16種類の気球キルト。色とりどりの気球が大空を舞い、潮風に揺られる楽しいキルトに仕上がっています。クレイジー、フライングギース、タンブラー、四角つなぎ、ヨーヨー。レースやビーズなど、さまざまな布や素材を使用した創作キルトです。バラバラに作られた作品なのに、一枚のキルトとしてまとまって見えるのは、最初に完成図が皆さんで共有されていたのでしょうね。16人全員の作品が繋ぎ合わされ完成した時の光景が目に浮かんできましたよ!

Patch-Work-Life

潮風賞 1点(賞金5万円)

Dots And Waves

タイトル:Dots And Waves

作者:西畑 真奈美(大阪府大阪市東淀川区)

【作者メッセージ】
ミシンキルトを始めて、最初の大きなキルトです。すべてピーシングで構成しています。グリーンのカーブが海の波のようにも見え、キルトラインも、風や水が流れるようなラインです。見る人に爽やかな気分に、なってもらえたらいいなと思います。

全体のデザインとメッセージに統一感があり、緑と黒の差し色の使い方がとても印象的な作品です。折り紙のように直線で構成された精密な技術と、計算された美しい仕上がりが際立っています。見れば見るほど心地よいバランスを感じるキルトですね。グラデーションの配色が巧みに用いられ、細部まで丁寧に仕上げられた作品で、記憶に残る色使いとデザインが高く評価できるキルト作品でした。

Patch-Work-Life

ささやき賞 1点(賞金2万円)

光へ

タイトル:光へ

作者:山田 治美(愛媛県大洲市)

【作者メッセージ】
歌手林部智史さんの楽曲「光へ」の「ありきたりな夢を持ちただなにげなく過ごした」から始まる歌詞に共感し、閃めいたデザインです。手探りのかすかな光の中でも夢を諦めないで光に向かって進んでいこうという情景を表現しています。藍色は心の落ち着きや直感・内省・調和を象徴し、信頼性や誠実さを表わす色です。

「裁判所の階段」のログキャビン!緻密な製図とピーシングの正確さがとても素晴らしいです◎さまざまな形をした菱形の中に、変化に富んだラインや形状があり、ピースをあえて揃えすぎずに幅や形を変えることで、作品全体にテーマに沿った心地よい揺らぎを感じさせています。ログキャビンの一つ一つのブロックのつなぎ目も正確で、どこを見ても高い技術と創造力が感じられる作品でした。

Patch-Work-Life

【小キルト・クッションの部】

こもれび大賞 1点(賞金2万円)

クジラが飛んだ!

【小キルト】
タイトル:クジラが飛んだ!

作者:武藤 美佐子(福島県二本松市)

【作者メッセージ】
私の中で、黒潮町と言えばらっきょの花と鰹そしてクジラを思い描きます。初めて観たらっきょの花のピンク色が印象的でクジラがらっきょ色だったらと思い、思い切ってクジラをピンクにしそのクジラが空を飛んだらと想像しました。鰹は元気に海の中で泳ぐ姿をチュールを使い海はビニールとキルトラインで表現しました。勿論らっきょの花もクジラの手に。最後に周りをループと三角布で波の穏やかさと荒々しさを表現しました。
 

らっきょの花色のクジラとカツオの躍動感が印象的でした。気泡をビニールで表現されたり、波や水面に映る光の反射を、チュールを貼り付け、フリーモーションステッチで抑えるなど、ご自身のイメージを巧みに表現されています。ボーダーにはループや立体キルトが施され、どこまでも広がっていく海を見事に表現。全体から布を楽しむ姿が伝わってくる、素敵な作品でした。

Patch-Work-Life

こもれび賞 2点(賞金1万円)

困ったゾウ

【小キルト】
タイトル:困ったゾウ

作者:わたなべ ともこ(高知県高知市)

【作者メッセージ】
インナーシティというパターンを縫ってみました。隣り合う色で立体感を出す六角形で構成されるパターン。離れて見るとビルのように見えてきませんか? アフリカンプリントを使用しています。様々な問題を抱えるアフリカ、住む場所を失いつつある象(野生動物)たちはどこへ行けばいいのか?きっと困っているでしょうね。

作品から強いメッセージ性が感じられました。ゾウとインナーシティのモチーフが六角形で構成され、絵本のような要素が詰め込まれた独創的な作品です。制作の動機と、ご自身が伝えたいメッセージが融合し、布の配色や構図からゾウが困っている姿が想像できました。色布の配置やメッセージから設計された構成力が印象的でした。

Patch-Work-Life

波のりだよ~ん!!

【クッション】
タイトル:波のりだよ~ん!!

作者:山本 なおみ(奈良県磯城郡田原本町)

【作者メッセージ】
今年の5月に軽度脳梗塞に罹患し入院しました。キルトに向き合う事が出来なくなるのではないかと不安な日々を過しておりましたが、義妹が初めてコンテストに挑戦すると聞いた時、嬉しさと同時に私もくよくよしている場合ではないと思い、孫の大好きな亀とメンダコをクジラに乗せて大海原で遊ばせたいと思い立ち製作しました。気分も晴れやかになり、まだまだ続けたいと思える毎日になりました。
 

オーガンジーを波に見立て、リアルに立体的に表現されている点が、とても斬新で印象的です。メッセージに書かれていたご病気にまつわるストーリーを感じさせないほど、作品からは力強いエネルギーと創作意欲が伝わってきます。「波のりだよ〜ん!!」というタイトルや、そこに込められたメッセージと表現力もあわせて、観る側の心に深く残るダイナミックで楽しい作品に仕上がっています。

Patch-Work-Life

【コースターの部】

ひだまり大賞 1点(賞金1万円)

ウキウキりんご

タイトル:ウキウキりんご

作者:岡添 久代(高知県四万十市)

【作者メッセージ】
秋の青空を見ると夫と私の両親を誘いりんご狩りに行ったことを思い出します。山のてっぺんのりんご畑には赤いりんごがたくさん実っていてかわいくて、もぎたてのりんごは甘酸っぱくておいしかったねーコースターを洗濯して干すと…あらあら!どこかの家族みたいなウキウキな猫がジャジャーン!
 

ただの円形のコースターと思いきや、、、引っ張ってみるとネコがジャジャーン!と飛び出してくる。そのユーモアあふれる仕掛けに、思わず笑ってしまいました。コースターが干されている姿を想像すると、また笑ってしまうほど、楽しい発想にあふれたコースターに仕上がっています。

Patch-Work-Life

ひだまり賞 2点(砂浜美術館グッズ)

虹色こいのぼり

タイトル:虹色こいのぼり

作者:内藤 敦恵(愛知県一宮市)

【作者メッセージ】
息子が生まれたばかりの頃、朝早く起きた時、ふと窓の外を見たら、きれいな虹が出ていて、心が癒やされた事がありました。その時の思いを表現してみました。

短くて短足なこいのぼり!着眼点がとても面白いです。2匹の色を合わせて成立する「虹色こいのぼり」の構成も魅力的でした。誰かのために作ったコースターは可愛らしく楽しく優しいコースターに仕上がっています。

Patch-Work-Life

私

タイトル:私

作者:埜下 すず子(高知県幡多郡黒潮町)

【作者メッセージ】
私自身です。

コースターの上に透明なガラスコップを置くと、顔が写り込む印象的で素敵なコースターですね。作品に描かれた上品な笑顔が、まるで作者ご自身を映し出しているかのように感じられました。

Patch-Work-Life

砂浜美術館賞 2点(次回キルト展応募券)

審査員:潮風のキルト展実行委員会

時空を超えた日本の旅をする

【大キルト】
タイトル:時空を超えた日本の旅をする

作者:千葉県野田市立南部中学校12組(千葉県野田市)

【作者メッセージ】
富士山(逆さ富士)や雷門などの日本を象徴するものを入れた作品にしました。会場が高知県なので坂本龍馬や文旦、カツオなどを入れました。飛行機の綿の量を考えながら詰め、膨らみ加減が上手くできました。花火を一個一個縫うのが大変でしたが、綺麗にできました。カツオはしわが寄らずに布を伸ばしながら縫いました。最初はなかなかデザインが決まらなかったのですが、話し合いを重ね、みんなの思いがこもった作品ができました。
 

遠く離れた砂浜美術館へのご応募ありがとございます!大胆さと繊細さが一つになり、すてきな作品ができましたね。みなさんの才能を再び発揮していただき、この地(砂浜美術館)で人々に感動を与えてくださることを心よりお待ちしております。若きキルターよ育て!

潮風のキルト展実行委員会

審査員:砂浜美術館

元気だ!黒潮町。

【小キルト】
タイトル:元気だ!黒潮町。

作者:サークルまつぼっくり(高知県幡多郡黒潮町)

【作者メッセージ】
私達は、サークル活動に参加し、増々元気なシルバーです。イベントの裏方や園芸の手伝いで、冬は野菜作り、春は浜で恐竜が走る、夏はTシャツが浜ではためく、秋はらっきょうの花見、この大好きな黒潮町を表現しました。まつぼっくりのように、太陽に当ると開き種をとばし仲間を増やしています。
 

黒潮町を想うやさしいまなざしが、受賞の大きな決め手となりました。ここで見られる風景がぎゅっと詰まった温かな作品ですね。まつぼっくりのように仲間を広げていくという思いにも心がほぐれました。その優しさが見る人にも届きますように。これからの創作も楽しみにしています。

砂浜美術館

フォトギャラリー


第30回潮風のキルト展

第30回潮風のキルト展

第30回潮風のキルト展

日時 :2024年11月15日(金)~17日(日)10:00~15:00

場所 :砂浜美術館(高知県黒潮町 入野松原)※雨天:ふるさと総合センター

Patch-Work-Lifeさん

審査員 :Patch-Work-Lifeさん

【プロフィール】
『あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。』をテーマに、インテリアデザイナーとグラフィックデザイナーの目線で創りだすあたらしい「デザイン×パッチワーク」のカタチを発信しています。

【総評】
今年で第30回を迎える「潮風のキルト展」の審査を務めさせていただきました、Patch-Work-Lifeと申します。

私達は2016年から審査員をさせていただき、様々な作品に出会ってきました。
毎年新鮮な気持ちで、毎年まっさらな気持ちで。私達は毎回おどろき、
「布を楽しむ」という事をこの砂浜美術館で感じています。

ここでしか見れない景色、ここでしか見せない作品の表情。
潮風のキルト展がもっとたくさんの方に届き、参加し、訪れる。

審査は作者との会話です。
どんな想いでつくり、それがどう伝わったか。どう感じたかのコミュニケーション。

今あるものを壊して新しいものをつくるのではなく
見方や視点を変えることで新しい価値は作れる。そう考えられるようになりたい。
一つ一つが作品ですが、砂浜美術館とこの場にあるすべての作品が
「潮風のキルト展」の一つの作品なのです。

Patch-Work-Lifeメンバー 一同

入賞作品一覧


【大キルトの部】

潮風大賞 1点(賞金10万円)

深更の密林で

タイトル:深更の密林で

作者:土田 祐子(福岡県福岡市南区)

【作者メッセージ】
絵を描く様に縫うのが好きです。暮しのいろいろな場面で、モチーフやテーマのヒントを見つけるとうれしい。縫っている時、布にふれている時は、空想の中で遊ぶ気持ち。この作品も、私を非日常にあそばせてくれました。深い闇と深い森とそこにいる生き物たち。ワクワクします。モノを創ると言うシンドさとよろこびを、かみしめて。

「深更の密林」まさしく、ドキドキするような静けさと不気味で不思議な雰囲気が漂ってくる作品ですね。プリント布を立体的に用い細かなところまで丁寧に制作され動物たちの何とも言えない目つきや表情など、作品全体の描写が見事に表現されています。周りに配置されている葉っぱが、松原と融合し、森の中のうごめきや、動物たちの声が今にも聞こえてきそうで、松原がジャングルの一部に見えてきました。

Patch-Work-Life

潮風賞 1点(賞金5万円)

イカぐるぐる

タイトル:イカぐるぐる

作者:前田 扶規子(神奈川県横浜市戸塚区)

【作者メッセージ】
海辺の観光地でぐるぐる回るイカが食べたい
みんなそう思って注文しちゃうからあまり残ってないよ
早く注文しようよ
結構人が並んでるよ
私達の順番までイカが残っていますように
あ、ひとつ飛んでいっちゃった
 

回転式魚干し機をモチーフにした独創的な作品。六角形の歪んだ干し機と背景のステッチで遠心力を表現し、イカが躍動する日常の風景をキルトで一コマに凝縮。黒い布をガーゼ布にまつりこむ技術など、どのように制作されたのか知りたいほど魅力ある作品です。イカの躍動感が生み出すダイナミックな動きと、静寂な背景との対比がとても印象的に残り、作者の豊かな想像力と高い表現力と創作への情熱が強く感じられる素晴らしく斬新な作品です。

Patch-Work-Life

ささやき賞 1点(賞金2万円)

トビウオ飛んだ!!

タイトル:トビウオ飛んだ!!

作者:藤川 さち子(徳島県阿南市)

【作者メッセージ】
小さな舟のすぐ近くの波間から、羽根を広げた魚が飛び出し、ずいぶん長い間飛ぶのにビックリしました。今見えない海の中はどうなっているんだろう?と思いながら、藍の古布、茶色の古布、かすりのもんぺい等で、3㎝の6角を3000枚つなぎ、波は白がすり、魚は古布の帯地を使って、楽しみながら作ってみました。 
 

6角形!3cm!3,000枚!全てはめこみ!お見事です!!渦巻く海水と、その中で悠々と泳ぐ魚たちの姿が幻想的で作品全体を上手く纏められています。海中の様子を6角形のみで形にされた表現力と作品から溢れだす情熱に圧倒されました。作者の幻想的なイメージを様々な布で配色された楽しく見惚れてしまう作品です。

Patch-Work-Life

【小キルト・クッションの部】

こもれび大賞 1点(賞金2万円)

ゆっくり休んでいかんかよ

【小キルト】
タイトル:ゆっくり休んでいかんかよ

作者:西峰 政子(高知県土佐郡土佐町)

【作者メッセージ】
ずっと走り続けていたのに、
ある日倒れこみ動けなくなった。
なんで私が…受け入れる事が出来ずもがいていた。
そんな中、ゆっくりしいや、休んでね。
皆のあたたかメールが届く。
やっと現実とむき合う事が出来た。
これからはゆっくり歩いていこう。 
 

柔らかい表情と作品。見ている方の気持ちが温かくなるような、ほのぼのとさせる素敵な作品ですね!背景の淡いムラ染めの上に横たわるおばあちゃんの配置が、よりおばあちゃんの姿を際立たせ、作品全体を印象づけています。顔の表情や橙布の使い方。また、かすり布を使ったもんぺや上着の布や手ぬぐい。今にものっそりと動き出しそうです。布を上手く用いた描写が素晴らしく、タイトルとメッセージと作品のすべてが見事に繋がっていました。

Patch-Work-Life

こもれび賞 2点(賞金1万円)

あふれでたもの

【小キルト】
タイトル:あふれでたもの

作者:衣川 二三(高知県幡多郡黒潮町)

【作者メッセージ】
開業予定が頓挫し、廃棄されるはずだったホテルのバスタオルとハギレをアップサイクルした作品です。ダーニング、刺繍、刺し子、パッチワークの技を取り入れ、全工程手縫いで仕上げました。本来、ゴミになるはずの素材が、自分からあふれでた柄を加えることで、日々を彩る作品に進化しました。制作中に、点が線になり、一見バラバラに見えても、海も山も生きものも全て繋がっているという思いがふと湧き出て来ました。
 

境目はあるけど境目が無い、自由に繋がりが広がる作品で、作者の創作意欲を感じました。様々なステッチの種類や組み合わせ、色とりどりの刺繍糸でマンボウやタコなどが自由に泳ぎ、作品から楽しさが溢れだしています。自由度や創造性は見る人の足を止め、作者の溢れ出た感情を作品から感じ取ることが出来ました。

Patch-Work-Life

潮風のキルト展、30周年おめでとう!!

【クッション】
タイトル:潮風のキルト展、30周年おめでとう!!

作者:本田 喜久美(福岡県春日市)

【作者メッセージ】
私は、今年で3度目の応募です!
毎年作品作りを楽しみにしています。
潮風のキルト展、ことしは30周年とのことでケーキでお祝いを!と思いつき、キルト展のいろんな場面をケーキの中に盛り込みました。
可愛いクッションになりましたが・・・・
ちょっとクッションをはみ出してしまいました!
 

創作立体クッション!作品からお祝いの気持ちがとても伝わってきました!白い生クリームの部分を、上手く布を縫い縮じめ、フワフワと滑らかで美味しそうな本物の生クリームのように制作されています。らっきょうの花やTシャツアート展などの砂美デコレーションも可愛らしく、布の使い方から、楽しさや面白さ遊び心などが伝わってくる、30周年潮風キルトおめでとうケーキが完成しましたね!たべたいなー

Patch-Work-Life

砂浜美術館賞 2点(次回キルト展応募券)

審査員:潮風のキルト展実行委員会

夜が明ける

【大キルト】
タイトル:夜が明ける

作者:菊池 郁美(熊本県熊本市)

【作者メッセージ】
キルトを始めて、早起きになった気がします。皆が寝静まった夜、コツコツ縫うのも好きだけど、少しずつ明るく変わっていく空の美しさを知ったから。ほら、今日も新しい1日が始まる瞬間に立ち会えました。
 

暗闇の中、赤や黄色のコントラストが印象的でした。躍動感を感じました。

潮風のキルト展実行委員会

審査員:砂浜美術館

SUNAHAMAサンプラー

【大キルト】
タイトル:SUNAHAMAサンプラー

作者:わたなべ ともこ(高知県高知市)

【作者メッセージ】
久しぶりにサンプラーキルトを作りました。メイン素材は意図せず手元に集まったちょっと手強い南国の生地たち。その中に海を感じる柄もあり、入野の浜を思い浮べ、自分なりの意味づけをして作ることに。例えば〝風〟〝太陽〟〝ヒロガリ〟〝ツナガリ〟・・・・どんどん楽しくなってきて初心者の頃のワクワクを思いだしながら作りました。このキルトの全てのパターン、実は対になっています。どれとどれがペア?と楽しんでいただけると嬉しいです。
 

目を引くカラーと、様々な素材の組み合わせも目を引きました。“ツナガリ”というキーワードや、作る楽しさ、見る側への楽しみを見出してくださっているところが、潮風のキルト展にぴったりです。

砂浜美術館

特別賞 大塚和助賞 2点(賞金5千円)

審査員:大塚和助
※幡多郡三原村出身のイラストレーターの方からご提供いただいた特別賞です

おかえり

【大キルト】
タイトル:おかえり

作者:小久保 寿子(京都府亀岡市)

【作者メッセージ】
戦争や紛争で故郷を追われた人々に「おかえり」と言える世界、命の尊厳を守れる世界が一日も早く訪れますようにと願って、この作品を作りました。
 

一見地味な色調の、のどかな田園風景。お日さまとざわっとした風のタッチが力強い。タイトルの「おかえり」は作者の情景なのでしょう。

大塚和助

ぐるぐる

【大キルト】
タイトル:ぐるぐる

作者:山﨑 千恵(高知県高知市)

【作者メッセージ】
今年は丸いパターンで作りたいと思い、浮かんだイメージで、ラフスケッチを描いて作ってみました。キルトステッチもひたすらグルグルと縫ってみたら、結構楽しめました。会場でひらひらとはためくとどんな感じかな?まだ広げて全体を見てないので、とても楽しみにしています。
 

細かな丸の幾何学模様が56個。デザインはシンプルだが落ち着きのある色のトーンが心に残る。

大塚和助

フォトギャラリー


第29回潮風のキルト展

第29回潮風のキルト展

第29回潮風のキルト展

日時 :2023年11月17日(金)~19日(日)10:00~15:00

場所 :砂浜美術館(高知県黒潮町 入野松原)※雨天:ふるさと総合センター

Patch-Work-Lifeさん

審査員 :Patch-Work-Lifeさん

【プロフィール】
『あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。』をテーマに、インテリアデザイナーとグラフィックデザイナーの目線で創りだすあたらしい「デザイン×パッチワーク」のカタチを発信しています。

【総評】
『布を楽しむ』をテーマに、今年も沢⼭の素敵な作品を「潮⾵のキルト展」にご出展いただき、誠に有難うございます。今年で第29回を迎える「潮⾵のキルト展」の審査を務めさせていただきました、Patch-Work-Lifeと申します。今年も全国から沢山のキルト作品がこの砂浜美術館に集結し、『布を楽しむ』というテーマの下、どの作品からも、作者の描写や表現方法から様々な思いを込められたことが伝わってきました。なによりも楽しく創作されたことが伝わってくる作品ばかりで、審査させていただいた私たちもワクワクした思いで楽しく拝見させていただきました。今回の作品では、様々な布の繋ぎ方や配色・素材・ステッチなど、布と糸の創作工夫が見られた作品が多く、また、皆さまのメッセージからキルトの製作へと上手く表現・描写された作品が沢山見られました。

「自身の気持ちや想いを表現されている」
「切り口やオリジナルの創作がされている」
「創意工夫を楽しんでいる」

上記の項目をポイントに、今年もまっさらな気持ちで精一杯気持ちを込めて審査させていただきました。選ばせていただいた各賞作品は、特に私たちの足を止め心揺さぶられた作品です。キルトやモノづくりを通じて、皆さまの毎日がより良い暮らしや時間になればと心より願っています。

「あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。」

パッチワーク・キルトを通じて、みなさまが布を楽しみ、様々な方が笑顔になれますように。

Patch-Work-Lifeメンバー 一同

入賞作品一覧


【大キルトの部】

潮風大賞 1点(賞金10万円)

恵の海

タイトル:恵の海

作者:背黒 富志枝(群馬県前橋市)

【作者メッセージ】
一度汚染された河川や九州の海、さまざまな取りくみを通して、タツノオトシゴが生息するまでに回復した事、テレビで知りました。私に恵を持たらす豊な海をキルトで表現したいと思い製作しました。松林の自然の光浴びて潮風にゆらゆらと、たなびくキルト。海亀は主人のネクタイで作り仲間入りしました。海面状に光がさしこむ様子、少し考えました。

海亀・魚・タツノオトシゴ・海藻など、豊かな海の中を舞う生物たちのリアルな描写に、力強さや躍動感、また作者の創作エネルギーを感じました。波の動きをバージニアリールで製作され、繊細で丁寧な手仕事や工夫、様々な布を使われた表現の幅に感動を覚えました。「恵の海」の中の優しい光の広がりに希望を感じることができる、美しくダイナミックなキルト作品です。

Patch-Work-Life

潮風賞 1点(賞金5万円)

いつも空から

タイトル:いつも空から

作者:遠藤 潤子(群馬県前橋市)

【作者メッセージ】
大好きな母に想いを込めて作りました。風になったり鳥になったりしていつも空から見ていてほしい。もう一度 話がしたいな。母に 会いたいな。右下のミラーのある家で 待ってますよ。
 

この作品を拝見した瞬間に、インパクトと印象がとても残った作品。細かく繊細なデザインを布色の濃淡やカーブで上手く配置され、躍動感と創作感を布で見事に表現されています。メッセージや作品の細部からも、母への愛情や思いが感じられるとても気持ちの良い作品に仕上がっています。右下のミラーの家。見つけましたよ!

Patch-Work-Life

ささやき賞 1点(賞金2万円)

故郷(ふるさと )・黒潮町

タイトル:故郷(ふるさと )・黒潮町

作者:武藤 美佐子(福島県二本松市)

【作者メッセージ】
昨年初めて、黒潮町潮風キルト展を訪れ、そこで出会ったらっきょの花の愛らしさに魅了され、鰹の美味しさに満足して帰って来ました。それをキルトに表現したいと思い、元気な鰹はビニールで被い、その他の鰹はチュールにステッチし、群れを表し、らっきょの花だけでなく、らっきょもアップリケで、波はキルトラインに変化をもたせ、穏やかで、荒々しい土佐の海を、この作品を観たら黒潮町の砂浜を思い出すキルトに表現しました。
 

キルトから今にも飛び出してきそうなダイナミックで活きのいい鰹。鮮度抜群ですね!!メインとなる鰹の身体の表現にビニールを用いたアイデアで、躍動感と力強さを見事に表現されています。背景に沢山ステッチされた鰹もメインとなる鰹を上手く引き立てていますね!作品全体のキルトには、水色と青色の布を基調とし、また、躍動する鰹を囲んだらっきょの花がデザインアクセントとなり、オリジナリティが感じられる素敵な作品に仕上がっています。黒潮町や砂浜美術館を見事に表現されましたね!

Patch-Work-Life

【小キルト・クッションの部】

こもれび大賞 1点(賞金2万円)

Keep it up !(いいね、その調子!)~memories of La Jolla Cove, summer 2023~

【小キルト】
タイトル:Keep it up !(いいね、その調子!)~memories of La Jolla Cove, summer 2023~

作者:土井 和代(神奈川県横浜市栄区)

【作者メッセージ】
今年の夏、カリフォルニア州サンディエゴの海辺、ラ・ホヤを訪ねた。野生のアシカやアザラシの生息地だ。ヨチヨチと波間の岩によじ登る小さなアシカとその後ろで、たぶん親なのだろう、見守るアシカ。赤ちゃんはときどき転けて滑る、なんとも愛らしかった。浜は海水浴を楽しむ人々と私たちのような観光客で賑わっていた。時々、近づきすぎる人間がいると威嚇する他は人間など気に留める様子もなく堂々とした浜の主たち。ここでは2フィートという絶妙な間合いで自然と人との秩序が保たれているようだった。
 

岩の上で堂々と寛ぐアシカの姿を、濃淡のついた茶系単色布を用いピーシングやキルトラインで今にも動き出しそうな表情や佇まいを立体的に創作。作者の描きたい世界観が上手く細部まで表現され、現代的なモダンキルトに仕上がっています。また、背景の波や岩場や空を、それぞれの描写に合わせたメリハリを付けたピーシングやキルトラインで、丁寧にかつ繊細に表現され、作品全体の空気感を創出しています。グラフィック性とインテリア性を兼ね備えた現代的なモダンキルト作品です。

Patch-Work-Life

こもれび賞 2点(賞金1万円)

サギ集団

【小キルト】
タイトル:サギ集団

作者:山本 あやみ(高知県幡多郡黒潮町)

【作者メッセージ】
緑のたんぼに白いサギ集団。好きです。この集団。 長い首を伸ばしてすましている子。これまた長い足で忍び足をして獲物を狙っている子。どれだけ見ていても動かない子。動かない、動かない、動きません…ということで、違う子も交じってしまいました。稲刈りが終わって2番穂が出たたんぼにいるサギもまたいいなと思い、ビーズできらきらさせてみました。
 

サギ集団!タイトルだけを見たときどんな作品かなと想像させるくらいインパクトのあるタイトルですね!背景の緑と白のストライプ布をランダムにピーシングされ、それらの曲線や流れが作品に立体感や奥行感を創出されています。それぞれのサギの大きさや動きにも工夫が溢れ、また、サギ集団の中にハシビロコウが急に現れている様子も布を楽しみ発想の広がりが感じられ楽しかったです。

Patch-Work-Life

吹き寄せ

【クッション】
タイトル:吹き寄せ

作者:中原 令子(東京都日野市)

【作者メッセージ】
古い継ぎの当った着物地、風呂敷、端布や蚊帳。大事に取って置いた、ボロと言われる捨てられる布等。いとおしくてたまらない私の宝物は落ち葉に生まれ変わりました。ことんと落ちたドングリに、リスが遊びに来てくれるといいな。後の布地は裂き織り。布(ボロ)を最後まで使います。デザインと立体キルトは、オリジナルの技法です。
 

葉の一枚一枚や、葉の葉脈が本物の落ち葉のようですね!また、その落ち葉が積み重なって森の地面を取り出したような、布の選定やキルトラインで製作された創作力と表現力。お見事です◎形状・配色・手法(トラプント?)・キルトライン・枯れている葉の表情。虫食いで穴が開いていたり腐食していたり。リアルな要素を表しながら、布を愛し布と糸を楽しみながら製作されている姿が、作品全体から感じられました。

Patch-Work-Life

砂浜美術館賞 2点(次回キルト展応募券)

審査員:潮風のキルト展実行委員会

輝 ~ひかり~

【大キルト】
タイトル:輝 ~ひかり~

作者:佐賀町民館デイサービス(高知県幡多郡黒潮町)

【作者メッセージ】
佐賀町民館で行っているデイサービス事業へ参加している方々の思いが輝き、一つひとつがつながり大きな希望のひかりになりました。参加者の方々の輝いている時間がひと針ごとに込められ、喜びと幸せがあふれています。
 

コツコツとみなさんで創り上げた力作に感動しました。

潮風のキルト展実行委員会

審査員:砂浜美術館

スカイツリー水族館

【大キルト】
タイトル:スカイツリー水族館

作者:野田市立南部中学校14組(千葉県野田市)

【作者メッセージ】
クラスの仲間とアイディアや発想を出し合い、まるで、魚たちが東京の街を泳いでいるかのようなキルト作品を作り上げました。こういったアイディアや発想を生み出すのにひとりひとりが同じ立場で作品作りをしているということを大切にしてきました。一つ一つ丁寧に手縫いで縫ったり、ミシンで縫ったり、さらにはスカイツリーをより立体的に見せるために綿を詰めたりと、色々な工夫をしてきました。
 

スカイツリーの高さを生かした縦長のデザインや、東京の街を水族館に見立てた創造性が目を引く作品。ひとつひとつの生き物のつくりも可愛く、とても愛らしい。布を楽しむというテーマと同時に、作品作りも楽しんでいる様子が伝わってきます。

砂浜美術館

特別賞 杉本伸夫賞 1点(賞金5千円)

審査員:杉本伸夫
※黒潮町民の方からご提供いただいた特別賞です

館長と灯台

【大キルト】
タイトル:館長と灯台

作者:田邉 美波(千葉県茂原市)

【作者メッセージ】
今回初めて応募したいと思ったのはテーマが楽しそうだなと思ったのと、あまりにも素敵な美術館と美しい景色にファンになったからです。自分でオリジナルを作り始めたのも去年からで完成したらどうなるかもわからずに、楽しくニタリクジラ館長といつか見てみたい足摺岬灯台の絵をアクリル絵の具で描きました。ペイント刺繍をして周りも館長のしっぽをハワイアンキルトの雰囲気も出しつつ砂浜に合うように仕上げました。
 

僕の一番好きな作品でした。

杉本伸夫

フォトギャラリー


第28回潮風のキルト展

第28回潮風のキルト展

第28回潮風のキルト展

日時 :2022年11月18日(金)~20日(日)10:00~15:00

場所 :砂浜美術館(高知県黒潮町 入野松原)※雨天:ふるさと総合センター

Patch-Work-Lifeさん

審査員 :Patch-Work-Lifeさん

【プロフィール】
『あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。』をテーマに、インテリアデザイナーとグラフィックデザイナーの目線で創りだすあたらしい「デザイン×パッチワーク」のカタチを発信しています。

【総評】
「潮風のキルト展」の審査を、昨年に引続き務めさせて頂きました、Patch-Work-Lifeと申します(今年で審査させて頂くのが5年目となります)。私達審査員も回を重ねるごとに、「審査を楽しむ」という気持ちへ変わってきたように感じております。もちろん作品を選ぶ、審査するということは悩みに悩みます。審査もそれぞれの視点、それぞれの感覚が違います。選ぶ作品が完全一致することはほとんどありません。だからこそ審査は難しく「楽しい」です。審査を行うとき、作品の目の前に立って「感じる何か」を大切にしています。作品から受ける印象、メッセージを読んでさらに深く感じ、考える事ができます。思いに触れることが出来ます。今年もたくさんの刺激と気付きがありました。これからも「想い」を込めて作品づくりを楽しんでほしいと思います。次はどんな作品をつくりますか?楽しみにしています。

上記の内容をポイントに、今年も精一杯の気持ちを込めて審査させて頂きました。選ばせていただいた各賞作品は、特に私たちの足を止め、心揺さぶられグッと心が引き込まれた作品です。 感動や幸せは意外と身近に、そして日常に溢れている。そしてそれに気づけるかどうかだと思います。

「あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。」

Patch-Work-Life
丸井 康司・福井 多倭子・折尾 祐希

入賞作品一覧


【大キルトの部】

潮風大賞 1点(賞金10万円)

顔出し NG

タイトル:顔出し NG

作者:山口 千春(大阪府寝屋川市)

【作者メッセージ】
伊藤若沖の絵を題材に、デザインを考えました。私は絵キルトが好きで、主に、日本の古い絵や、風習、おとぎ話を中心に、作品作りを楽しんでいます。

豪華絢爛。独創的な色の鮮やかさに目を奪われました。様々な要素を一枚の作品の中に閉じ込めた『絵キルト』。見事です!様々な角度の切り替えが奥行やリズムを生み出し、作品の中に沢山の視点が創出されている不思議で美しいキルト作品ですね。 壁や天井など柄布を用いて立体的に表現された所も見事です!女性の顔の刺繍や着物布の選定や帯の表現も妖艶で、砂浜美術館の長閑な世界とは異なる異次元な世界観とのギャップも面白く、作品に吸い込まれるように長時間眺めてしまいました。

Patch-Work-Life

潮風賞 1点(賞金5万円)

朝つゆ

タイトル:朝つゆ

作者:幾野 孝子(神奈川県横浜市)

【作者メッセージ】
私がまだ小学生低学年だった頃の思い出の一コマ。夏休みの毎日は、早朝のラジオ体操で始まりました。舗装されていない小道を、ラジオ体操会場まで走るのですが、寝起きの眠い目を覚ましてくれたのは、朝つゆの何とも言えない草の匂いでした。今でもはっきりとその時の風景と共に、まだ早朝の清々しい空気と朝つゆに混じった草の匂いを忘れることが出来ません。そんな思い出を作品に閉じ込めてみました。
 

朝のすがすがしい空気感が伝わってくるダイナミックな作品です。幼い頃の作者の感じた記憶を辿り、草の匂いや朝つゆの水滴を弾く瞬間がリアルな表現で描かれ、小さな背丈で見えた作者の世界が垣間見えました。オーガンジーやチュールを使用されることで、飛び散っていく水滴の様子が上手く表現され、また、葉の配色やアップリケ葉脈のデザインも立体的で見事に作者の脳裏にある記憶を表現されています。躍動感あふれる作品に仕上がりましたね!

Patch-Work-Life

ささやき賞 1点(賞金2万円)

繕い育てるキルト“土佐„

タイトル:繕い育てるキルト“土佐„

作者:水野 百合子(埼玉県入間市)

【作者メッセージ】
高知に住む娘からのラインで知ったキルト展。子どもたちが幼い頃、よく行った山や川、土佐の自然が鮮やかに思い浮かびました。これ迄は、洗濯機をガラガラ回しても丈夫なキルト作りを心掛けてきましたが、「切りっぱなしの木の葉」「色止めしてないバリの布」を使って、綻びたら繕い、穴があけば上から「落ち葉」を重ねていく手のかかる育てるキルトを作ってみたくなりました。虫たちは未だ会えぬわんぱくなひ孫たちへの贈り物です。
 

『育てるキルト』という言葉。素敵ですね!落ち葉が土にかえるように、布を育てるということですね◎手がかかる子供ほど可愛いと言いますが、今回製作された手のかかるキルトも可愛いことでしょうね^^上へ上へと葉を重ねていく表現や、布は裁ち切りでその上に丁寧なステッチ。一つ一つ細かなところまで丁寧に繕っていることが随所に感じられ、裏面に映りこまれたキルトラインを見ると、キルトステッチの正確さやその技術の素晴らしさが解りました。さまざまな昆虫を一匹一匹発見する楽しさができる、布を楽しまれたキルト作品です。

Patch-Work-Life

【小キルト・クッションの部】

こもれび大賞 1点(賞金2万円)

信州御代田 龍神まつり

【小キルト】
タイトル:信州御代田 龍神まつり

作者:渡辺 美智代(長野県長野市)

【作者メッセージ】
夫のふるさとの「龍神まつり」は、巨大な龍が山寺の長い石段を下り池を渡り、50人の担ぎ手と共に舞い踊る勇壮な祭です。静謐なお寺の空気の中で躍動する龍に宿る「気」の迫力に圧倒される思いで創作を始めました。古い着物や帯地を使って表現した祥の七宝文様をデザインのベースに、龍の棲む池、龍の迫力、そして祭の楽しさ華やかさをイメージして押絵、水引結び等の技法も加えて仕上げました。
 

立体的で躍動感あふれた力強いキルトですね!作品全体を眺めているうちにメンバー一同『はっ』としました!七宝文様の表現。いいアイデアですね!全体的に纏まりとバランスの良い作品に仕上がっています。龍を押絵で細部まで描かれており、龍の髭など極細の部分は押絵ならではの表現方法ですね!水引や押絵など、華やかな世界観を作品に表した表現力は見事で、見る側にエネルギーを与える作品です。

Patch-Work-Life

こもれび賞 2点(賞金1万円)

piece  of  tears

【小キルト】
タイトル:piece of tears

作者:椋埜 未咲(高知県幡多郡黒潮町)

【作者メッセージ】
悔し涙、嬉し涙、いろんな涙をパズルのように並べて、心の整理をする。時にはぽっかり穴が開いてしまったり、それを他の感情で埋め合わせてみたり。そうしているうちに、いつの間にか、ぱっと晴れやかになっていたりする。雨の中、広い海へ落ちていく雨の雫も、空の涙なのかな。しとしと。ぽつり、ぽつり。遠くの空に虹がかかっていたら、きっと心が晴れた証。
 

心の整理、心に空いた穴をパズルで表現されているところが作者の感性の豊かさと創造性を感じました。感情をパズルに合わせ、長い制作時間の中で、様々な感情や思いを作品に込めながら制作されている所が、キルトラインの一目一目から感じることができました。作品に込められた作者のメッセージから、色んな想いが垣間見れ、見る人にとって、とても考えるような作品に仕上がっていますね。

Patch-Work-Life

切り株3きょうだい

【クッション】
タイトル:切り株3きょうだい

作者:西村 優美(高知県幡多郡黒潮町)

【作者メッセージ】
松原で切り株に腰かけてひとやすみ。木もれ日そよ風お花見。お1人様からトリオ様までごゆるりとどうぞ。黒潮じぃんずと台湾旅の布と古タオルでできています。

素材の組合せが独特で、何か色んな香りが交り合うような布を楽しまれた切り株のクッションに仕上がりましたね!切株の年輪も様々な色糸でマーブルに描かれ、温かく、また、楽しそうに製作されたことがステッチのラインからも感じることが出来ました。 黒潮じぃんずと台湾旅の布と古タオル。とても素敵な配色と実用的で楽しい切り株クッション。私たちも三人でゆっくりと腰かけさせて頂きました^^優しい座り心地最高でした!!

Patch-Work-Life

砂浜美術館賞 2点(次回キルト展応募券)

審査員:潮風のキルト展実行委員会

がんばるよ

【大キルト】
タイトル:がんばるよ

作者:チェリーバスケット(群馬県前橋市)

【作者メッセージ】
パッチワークキルト教室、チェリーバスケット68名のグループキルトです。それぞれの個性あふれる子亀達が、大海原に一生懸命手足をバタバタ動かしながら向って行きます。私達の未来は何があるのかわからないけれど前に前にと「がんばるよー」仲間を見つけて生きていくよーと。大自然の中へ出発するエネルギーいっぱいのかわいい亀さん達です。
 

この作品は、海の素晴らしさと子亀たちの明るい未来を色とりどりの布で表現されています。親亀になって、また、この砂浜に帰って来る事に思いを馳せている様子が伝わる作品です。

潮風のキルト展実行委員会

審査員:砂浜美術館

kira kira chips

【小キルト】
タイトル:kira kira chips

作者:岡本 里咲(高知県幡多郡黒潮町)

【作者メッセージ】
年々素敵だなあと思う気持ちが強くなっていたキルト展。今年はなぜかその気持ちが行動に。キルトは全くわからないけど、黒潮町の大好きな景色はしっかり頭の中にあるから、それを表現したい!なんとかできたデザインで、昔祖母が着ていた浴衣の端切れを入れたりしながら、黒潮町の景色がもっともっと好きになる。仕上げは祖母、母と、3世代の力をフル活用。不格好でも、思い描いたものは大抵実現できる!次は“あの景色”を縫ってみようかな。
 

町の風景の魅力を、見る側にも伝えてくれる一枚。好きな風景を切り取り、優しい色使いで表現するところに、自分の住んでいる町に対する愛情を感じます。砂浜美術館のコンセプトにもある「ここが好きだと言えること」というフレーズがカタチになった、つい目がいってしまう作品です。

砂浜美術館

フォトギャラリー