第31回潮風のキルト展
日時 :2025年11月14日(金)~16日(日)10:00~15:00
場所 :砂浜美術館(高知県黒潮町 入野松原)※雨天:ふるさと総合センター
審査員 :Patch-Work-Lifeさん
【プロフィール】
『あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。』をテーマに、インテリアデザイナーとグラフィックデザイナーの目線で創りだすあたらしい「デザイン×パッチワーク」のカタチを発信しています。
【総評】
今年も「潮風のキルト展」の審査を担当させていただきました、Patch-Work-Lifeです。私たちは2016年からこの砂浜で審査を続けていますが、風の匂いも、光の色も、作品との出会い方も、毎年少しずつ違います。同じ場所に立ちながらも、いつも新しい発見があります。
今年は「作者それぞれの“布を楽しむ”姿勢」に目を向けて審査を行いました。一枚の布をどう重ね、どう生かすか。その背景には、日々の暮らしや作り手の想いが静かに込められています。デジタル作品のように簡単にやり直しができないからこそ、一針ごとに生まれる偶然が、作品の表情をより豊かにしてくれます。この布を選んだ理由や、この色を組み合わせた思い。想像を重ねながら、作り手の時間をたどるように審査を進めました。針が生んだ軌跡の中に、小さなこだわりを見つけた瞬間の喜びを、私たちも共に味わうことができました。布をつなぐことは、時間や想いをつなぐこと。今年もここでしか感じられない潮風の中で、たくさんの作品と出会いました。
あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。
砂浜美術館で並ぶすべてのキルトがひとつにつながり、この場所で紡がれる時間が、これからも多くの人の心に届いていくことを心より願っています。
Patch-Work-Lifeメンバー 一同
入賞作品一覧
【大キルトの部】
潮風大賞 1点(賞金10万円)
タイトル:夢のせて
作者:チクチクパッチの仲間たち(高知県高知市)
【作者メッセージ】
グループで出品するのが3回目!!今回は気球に挑戦しました。色とりどりの気球が空に舞い風を感じてくれるとうれしいです。マイペースの私達ですが、いつまでも夢を追いかける人生でありたい。
16名で創作された16種類の気球キルト。色とりどりの気球が大空を舞い、潮風に揺られる楽しいキルトに仕上がっています。クレイジー、フライングギース、タンブラー、四角つなぎ、ヨーヨー。レースやビーズなど、さまざまな布や素材を使用した創作キルトです。バラバラに作られた作品なのに、一枚のキルトとしてまとまって見えるのは、最初に完成図が皆さんで共有されていたのでしょうね。16人全員の作品が繋ぎ合わされ完成した時の光景が目に浮かんできましたよ! Patch-Work-Life |
潮風賞 1点(賞金5万円)
タイトル:Dots And Waves
作者:西畑 真奈美(大阪府大阪市東淀川区)
【作者メッセージ】
ミシンキルトを始めて、最初の大きなキルトです。すべてピーシングで構成しています。グリーンのカーブが海の波のようにも見え、キルトラインも、風や水が流れるようなラインです。見る人に爽やかな気分に、なってもらえたらいいなと思います。
全体のデザインとメッセージに統一感があり、緑と黒の差し色の使い方がとても印象的な作品です。折り紙のように直線で構成された精密な技術と、計算された美しい仕上がりが際立っています。見れば見るほど心地よいバランスを感じるキルトですね。グラデーションの配色が巧みに用いられ、細部まで丁寧に仕上げられた作品で、記憶に残る色使いとデザインが高く評価できるキルト作品でした。 Patch-Work-Life |
ささやき賞 1点(賞金2万円)
タイトル:光へ
作者:山田 治美(愛媛県大洲市)
【作者メッセージ】
歌手林部智史さんの楽曲「光へ」の「ありきたりな夢を持ちただなにげなく過ごした」から始まる歌詞に共感し、閃めいたデザインです。手探りのかすかな光の中でも夢を諦めないで光に向かって進んでいこうという情景を表現しています。藍色は心の落ち着きや直感・内省・調和を象徴し、信頼性や誠実さを表わす色です。
「裁判所の階段」のログキャビン!緻密な製図とピーシングの正確さがとても素晴らしいです◎さまざまな形をした菱形の中に、変化に富んだラインや形状があり、ピースをあえて揃えすぎずに幅や形を変えることで、作品全体にテーマに沿った心地よい揺らぎを感じさせています。ログキャビンの一つ一つのブロックのつなぎ目も正確で、どこを見ても高い技術と創造力が感じられる作品でした。 Patch-Work-Life |
【小キルト・クッションの部】
こもれび大賞 1点(賞金2万円)
【小キルト】
タイトル:クジラが飛んだ!
作者:武藤 美佐子(福島県二本松市)
【作者メッセージ】
私の中で、黒潮町と言えばらっきょの花と鰹そしてクジラを思い描きます。初めて観たらっきょの花のピンク色が印象的でクジラがらっきょ色だったらと思い、思い切ってクジラをピンクにしそのクジラが空を飛んだらと想像しました。鰹は元気に海の中で泳ぐ姿をチュールを使い海はビニールとキルトラインで表現しました。勿論らっきょの花もクジラの手に。最後に周りをループと三角布で波の穏やかさと荒々しさを表現しました。
らっきょの花色のクジラとカツオの躍動感が印象的でした。気泡をビニールで表現されたり、波や水面に映る光の反射を、チュールを貼り付け、フリーモーションステッチで抑えるなど、ご自身のイメージを巧みに表現されています。ボーダーにはループや立体キルトが施され、どこまでも広がっていく海を見事に表現。全体から布を楽しむ姿が伝わってくる、素敵な作品でした。 Patch-Work-Life |
こもれび賞 2点(賞金1万円)
【小キルト】
タイトル:困ったゾウ
作者:わたなべ ともこ(高知県高知市)
【作者メッセージ】
インナーシティというパターンを縫ってみました。隣り合う色で立体感を出す六角形で構成されるパターン。離れて見るとビルのように見えてきませんか?
アフリカンプリントを使用しています。様々な問題を抱えるアフリカ、住む場所を失いつつある象(野生動物)たちはどこへ行けばいいのか?きっと困っているでしょうね。
作品から強いメッセージ性が感じられました。ゾウとインナーシティのモチーフが六角形で構成され、絵本のような要素が詰め込まれた独創的な作品です。制作の動機と、ご自身が伝えたいメッセージが融合し、布の配色や構図からゾウが困っている姿が想像できました。色布の配置やメッセージから設計された構成力が印象的でした。 Patch-Work-Life |
【クッション】
タイトル:波のりだよ~ん!!
作者:山本 なおみ(奈良県磯城郡田原本町)
【作者メッセージ】
今年の5月に軽度脳梗塞に罹患し入院しました。キルトに向き合う事が出来なくなるのではないかと不安な日々を過しておりましたが、義妹が初めてコンテストに挑戦すると聞いた時、嬉しさと同時に私もくよくよしている場合ではないと思い、孫の大好きな亀とメンダコをクジラに乗せて大海原で遊ばせたいと思い立ち製作しました。気分も晴れやかになり、まだまだ続けたいと思える毎日になりました。
オーガンジーを波に見立て、リアルに立体的に表現されている点が、とても斬新で印象的です。メッセージに書かれていたご病気にまつわるストーリーを感じさせないほど、作品からは力強いエネルギーと創作意欲が伝わってきます。「波のりだよ〜ん!!」というタイトルや、そこに込められたメッセージと表現力もあわせて、観る側の心に深く残るダイナミックで楽しい作品に仕上がっています。 Patch-Work-Life |
【コースターの部】
ひだまり大賞 1点(賞金1万円)
タイトル:ウキウキりんご
作者:岡添 久代(高知県四万十市)
【作者メッセージ】
秋の青空を見ると夫と私の両親を誘いりんご狩りに行ったことを思い出します。山のてっぺんのりんご畑には赤いりんごがたくさん実っていてかわいくて、もぎたてのりんごは甘酸っぱくておいしかったねーコースターを洗濯して干すと…あらあら!どこかの家族みたいなウキウキな猫がジャジャーン!
ただの円形のコースターと思いきや、、、引っ張ってみるとネコがジャジャーン!と飛び出してくる。そのユーモアあふれる仕掛けに、思わず笑ってしまいました。コースターが干されている姿を想像すると、また笑ってしまうほど、楽しい発想にあふれたコースターに仕上がっています。 Patch-Work-Life |
ひだまり賞 2点(砂浜美術館グッズ)
タイトル:虹色こいのぼり
作者:内藤 敦恵(愛知県一宮市)
【作者メッセージ】
息子が生まれたばかりの頃、朝早く起きた時、ふと窓の外を見たら、きれいな虹が出ていて、心が癒やされた事がありました。その時の思いを表現してみました。
短くて短足なこいのぼり!着眼点がとても面白いです。2匹の色を合わせて成立する「虹色こいのぼり」の構成も魅力的でした。誰かのために作ったコースターは可愛らしく楽しく優しいコースターに仕上がっています。 Patch-Work-Life |
タイトル:私
作者:埜下 すず子(高知県幡多郡黒潮町)
【作者メッセージ】
私自身です。
コースターの上に透明なガラスコップを置くと、顔が写り込む印象的で素敵なコースターですね。作品に描かれた上品な笑顔が、まるで作者ご自身を映し出しているかのように感じられました。 Patch-Work-Life |
砂浜美術館賞 2点(次回キルト展応募券)
審査員:潮風のキルト展実行委員会
【大キルト】
タイトル:時空を超えた日本の旅をする
作者:千葉県野田市立南部中学校12組(千葉県野田市)
【作者メッセージ】
富士山(逆さ富士)や雷門などの日本を象徴するものを入れた作品にしました。会場が高知県なので坂本龍馬や文旦、カツオなどを入れました。飛行機の綿の量を考えながら詰め、膨らみ加減が上手くできました。花火を一個一個縫うのが大変でしたが、綺麗にできました。カツオはしわが寄らずに布を伸ばしながら縫いました。最初はなかなかデザインが決まらなかったのですが、話し合いを重ね、みんなの思いがこもった作品ができました。
遠く離れた砂浜美術館へのご応募ありがとございます!大胆さと繊細さが一つになり、すてきな作品ができましたね。みなさんの才能を再び発揮していただき、この地(砂浜美術館)で人々に感動を与えてくださることを心よりお待ちしております。若きキルターよ育て! 潮風のキルト展実行委員会 |
審査員:砂浜美術館
【小キルト】
タイトル:元気だ!黒潮町。
作者:サークルまつぼっくり(高知県幡多郡黒潮町)
【作者メッセージ】
私達は、サークル活動に参加し、増々元気なシルバーです。イベントの裏方や園芸の手伝いで、冬は野菜作り、春は浜で恐竜が走る、夏はTシャツが浜ではためく、秋はらっきょうの花見、この大好きな黒潮町を表現しました。まつぼっくりのように、太陽に当ると開き種をとばし仲間を増やしています。
黒潮町を想うやさしいまなざしが、受賞の大きな決め手となりました。ここで見られる風景がぎゅっと詰まった温かな作品ですね。まつぼっくりのように仲間を広げていくという思いにも心がほぐれました。その優しさが見る人にも届きますように。これからの創作も楽しみにしています。 砂浜美術館 |
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