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第22回潮風のキルト展
日時 :2016年11月11日(金)~13日(日)9:30~15:30
場所 :砂浜美術館(高知県黒潮町 入野松原)
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審査員 :patch-workさん
【プロフィール】
村上史博さん(左)と丸井康司さん(右)兵庫県発「人、伝統、地域、家族をパッチワークを通じてつなぐ」活動をしているユニット。インテリアデザインを手がけてきた知識と経験を生かしたオリジナルデザインと世代を越えたコミュニティの場づくりを得意とする。
【総評】
今回「潮風のキルト展」を審査させて頂きましたpatch-workです。作品を選考することにドキドキし、またとても悩みました。審査基準としては、キモチをカタチにするパッチワークキルトを第1選考基準のポイントとさせて頂き、今回のテーマである「布を、楽しもう!」という楽しくキルトを創作することの中で【デザイン】【メッセージ性】【ワクワク感】を感じたキルトを選考の基準とさせて頂きました。
皆さんが「楽しく」「ワクワク」して製作している姿が、どの作品からも伝わってきて、本当に楽しく作品を拝見させて頂きました。改めて『潮風のキルト展』にご出展頂きこの場を借りてお礼申し上げます。有難うございました。
日々の生活を抜き取った風景やストーリーをイメージし、それをパッチワークキルトとして表現されることは、皆様しか描けない世界にたった一つの作品です。皆様が想いを込めて作られたタペストリーは、砂浜美術館で青空のもと気持ちよく風にそよぎ、また色んな繋がりを作っています。
パッチワークで自然を繋ぎ、人と自然。人と人とも繋ぐ。パッチワークで日常や人の繋がりをデザインする。あなたがパッチワークすることでたくさんの人とつながって、楽しいことが増えることを願っています。
入賞作品一覧
大キルトの部
潮風大賞 1点(賞金10万円)
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タイトル:夕日とクジラ
作者:大方高校「砂浜美術館」(黒潮町)
【作者メッセージ】
私たちは大方高校解放講座「砂浜美術館」の受講生の男性2名、女性2名です。週2時間の授業を12回重ねて創作しました。
はじめにコンセプトを決めるために、好きな色と物をリストアップしました。そのモチーフを中心に据えて裁縫に取りかかりました。材料は過去の同講座のあまりを利用しました。それぞれのパーツの集合体として1つの作品になったことに驚いています。
色使いや描写など作り手の気持ちが入っているのが感じられる、大好きな作品です。クジラの躍動感と表情の良さ、市松模様で夕日が表現された表現力とクジラの構図。 村上さん(patch-work) |
何度みても楽しく元気にさせてくれる作品です。パッチワーク・キルトに上手い下手は関係ありません。ここまで楽しく表現出来たからこそ作品にエネルギーを感じます。今後の作品づくりに期待しています! 丸井さん(patch-work) |
潮風賞 1点(賞金5万円)
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タイトル:風の色
作者:泉 由美(愛媛県)
【作者メッセージ】
毎年、楽しみにしているキルト展。海からの風、松林の間をすり抜ける風、らっきょう畑を過ぎる風に澄み切った空の風がいつも心地よくて、その風を風車のパターンで色にしてみました。風車がくるくる回りながら色をつけて回る風がいつまでも心地よい場所を作ってくれているようです。布で色々と表現できる楽しみが好きです。
テーマ設定からイメージの落とし込みと効果的なグラデーションを使用され風を連想させる配色やフォルムが素晴らしいです。 村上さん(patch-work) |
様々な『風の色』がキルトに大胆にかつ丁寧に表現されていて、太平洋から流れる海風が砂浜を抜け、風車がカラカラと今にも回りだしそうにデザインされていますね。風車の曲線を上手く丁寧に縫いこまれた完成度の高い作品となっています。 丸井さん(patch-work) |
ささやき賞 1点(賞金2万円)
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タイトル:シンガポールの色鉛筆
作者:池澤 順子(滋賀県)
【作者メッセージ】
娘からのシンガポール土産の布を使っています。幼い頃のお絵かき色鉛筆がイメージされ、ベッドカバーとして作りました。
シンガポールのお土産をきっかけに、娘さまとの幼い頃の楽しい思い出がとても伝わる作品です。色鉛筆をモチーフにシンプルなイメージからバリエーション豊かな色彩表現で構成されています。 村上さん(patch-work) |
テーマを基に三角形から様々な幾何学模様でシンプルに構成された動きのある作品です。デザイン性やメッセージ性が伝わり、素敵なモダンキルトに仕上っています。これからの作品づくりにも期待しています! 丸井さん(patch-work) |
審査員:自然工房
「!」賞 1点(賞金1万円)
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タイトル:麻の葉模様
作者:宮﨑 紀代(高知県)
【作者メッセージ】
大好きな麻の葉模様を大好きなヘキサゴンで作りました。知り合いからいただき、大事にしまっておいた布に思いきってハサミを入れました。一葉づつ仕上がっていくのが楽しかったです。サイズも変更され、参加しやすいキルト展になりました。眠っていたキルトを出展できることに感謝します。
作品の中に「!」と思う所のあるキルト作家にこの賞を受け取ってほしいと思います。これだけ沢山の数のヘキサゴンを1つの作品に仕上げたあなたの忍耐に「!」を感じました。今後も素敵な作品を見せていただきたいと思います。 自然工房 |
審査員:浜田 啓さん(砂浜美術館楽芸員)
ひらく賞 1点(浜田啓氏の写真)
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タイトル:再会
作者:ふくいかよことその仲間達(愛媛県)
【作者メッセージ】
普段家事で忙しい主婦達が少しだけおしゃれして、いそいそと家を飛び出し、ワイワイガヤガヤとりとめもなくおしゃべり。久しぶりに出会う人、よく会っている人、何らかの形で同じ時間を共有した同士。そんな楽しい雰囲気お伝え出来たでしょうか。
なんか、ええがちや。ふんいきが。これからも、ええふんいきを大事にしてください。 浜田 啓さん(砂浜美術館楽芸員) |
審査員:来場者
砂浜美術館賞 1点(次回キルト展応募券)
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タイトル:TシャツのT
作者:山下 和子(高知県)
【作者メッセージ】
黒潮町の真似をして、130枚のTシャツの展示です。
小キルトの部
こもれび大賞 1点(賞金2万円)
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タイトル:星に願いを
作者:森 澄子(黒潮町)
【作者コメント】
誰が星のパターンを考えたのだろうか?そういえば最近夜空を見上げてないなー。今夜は全ての星に願いをかけてみよう・・・・
何種類もの黄色系の布地を中心から広がるように繋ぎ、星を連想するよう柔らかに広がるグラデーションが、優しく空に浮かんでいるように見えます。黒潮町でみる星空は、澄んだ夜空の中に優しく綺麗に輝いているのでしょうね。 村上さん(patch-work) |
四角形を立体的に且つシンメトリーな配色で製作されていますのでバランスがよく、見る視点やポイントを変えると様々なパターンに見え方が変わります。これからも自然や人を繋ぐパッチワークキルトを期待しています。 丸井さん(patch-work) |
こもれび賞 1点(賞金1万円)
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タイトル:アイ ウィッシュ ユア ハピネス
作者:谷原 裕(高知県)
【作者メッセージ】
4月から退職者向けの裁縫教室に通っています。梅雨末期に一念発起して創作を始めました。アップリケが終わって、キルト芯を入れ、規定のサイズに収めることができなくて、座布団として使ってました。身近な物にヒントを探し50cm四方の風呂敷を縁取りに利用しました。作品とは関係ないのですがパッチワークのおかげでこの冬My wardrobeに破れを再生した服が加わって暖かく過ごせそうです。
不思議と元気がもらえる作品です。色々と試行錯誤しながら楽しく作ったのだろうなという雰囲気がとても伝わります。 村上さん(patch-work) |
創作感溢れる工夫をして表情や心情をキルトで表現され相手の事を想う気持ちが伝わってきます。これからも引続きパッチワークキルトや楽しく裁縫されるコトを期待しています! 丸井さん(patch-work) |
審査員:来場者
砂浜美術館賞 1点(次回キルト展応募券)
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タイトル:バラと朝露
作者:大野 文代(高知県)
【作者メッセージ】
5年位前、嫁様に私の誕生祝にともらった鉢植のバラの花。毎年楽しませてくれますが、今年の5月に最初に咲いた一輪、前夜からの雨も上り、朝陽を受けてハッとする程光り輝いていました。同時に、又一つ年を重ねたと実感するのですが、老いは積み重ねない様に努力をしなくてはと思わせてくれます。ただ露の感じがうまく表現できずに四苦八苦しました。
フォトギャラリー
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