第23回潮風のキルト展

第23回潮風のキルト展

第23回潮風のキルト展

日時 :2017年11月10日(金)~12日(日)9:30~15:30

場所 :砂浜美術館(高知県黒潮町 入野松原)

patch-workさん

審査員 :patch-workさん

【プロフィール】
村上史博さん(左)と丸井康司さん(右)兵庫県発「人、伝統、地域、家族をパッチワークを通じてつなぐ」活動をしているユニット。インテリアデザインを手がけてきた知識と経験を生かしたオリジナルデザインと世代を越えたコミュニティの場づくりを得意とする。

【総評】
昨年に引き続き今年も「潮風のキルト展」を審査させて頂きましたpatch-workです。 この砂浜美術館で、みなさまの制作されたパッチワークキルトが、太陽の光に照らされ潮風と気持ちよく一緒にそよぐ姿を見て、笑顔になったり、驚かされたり、ワクワクしたり、と、今年も刺激や元気を頂きながら楽しく審査させて頂きました。作品制作また作品展示頂き誠に有難うございました。この場を借りてお礼申し上げます。
どの作品からも、日々の出来事や思い出の風景などからご自身の想いや昔の記憶の1ページを、キルトに一心一針想いを込めて制作されている姿が目に浮かんできました。
2017潮風のキルト展の作品テーマである『布を楽しむ』=技術力だけでなく布で想いやイメージを表現し創作することを選考のメインテーマに、【表現力】【メッセージ性】【インパクト】の3つの項目を加え、僕達patch-work目線で感じたキルトを選考させて頂きました。
パッチワークキルトは、もっともっと、もっと、自由に制作するものだと考えています。『あなたがパッチワークすれば、世界はもっと楽しくなる。』パッチワークで作られたものや、パッチワークをする時間を通じて、あなたの世界がもっと楽しくなるように^^

入賞作品一覧


潮風大賞 1点(賞金10万円)【大キルトの部】

らっきょの花束

タイトル:らっきょの花束

作者:仲山 美智子(福岡県)

【作者メッセージ】
感激・感動・大興奮!!らっきょの花で「花束」なんてだれが考えたの・・・いったい、何本のらっきょが花束になっているのだろう。100本・200本・300本~500本。初めて見る「らっきょの花束」この感動を興奮をキルトにしたいとタペストリーにしてみました。

ガーゼ布を使って、波の柔らかさの表現と、空の雲の裏にピンク生地を入れて、夕焼けの繊細な表情がとても写実的で素晴らしい作品です。松原にはグリーン系の様々な生地を使用され夕日に照った木の葉の陰影が立体的で美しいです。

村上さん(patch-work)

ボロを用いて海や田畑の表情や、らっきょの花束の表現など、素材の使い方やそれぞれの風景に合わせた技法を用い制作されており、細かな演出や制作力が見事です。キルトの型にはまらない自由な創作感が今回のキルト展のテーマ「布を楽しむ」に合った素敵な作品となっています。

丸井さん(patch-work)

潮風賞 1点(賞金5万円)【大キルトの部】

ナイトスパイラル

タイトル:ナイトスパイラル

作者:一柳 美惠子(愛媛県)

【作者メッセージ】
眠らない街、多くの人々が暮らす街。娘が暮らす、そんな都会の夜の街を表現したかったのですが………。

様々な柄やトーンの異なるグレーの布を何色も使い分け、都会の夜の街並みを表現され、立体的な構図が奥行感を出されています。その中にオレンジやイエローをポイント色として配置され、シンプルな中に都会の夜のネオンがスタイリッシュに表現されています。

村上さん(patch-work)

ログキャビンを使って都会を表現するという発想が面白いです。またピーシングの繋ぎ目が細かく丁寧に合わされ、ランダムに角度とトーンを区切る切り替えのコードが、都会のクールで大人な表情を演出されています。

丸井さん(patch-work)

ささやき賞 1点(賞金2万円)【大キルトの部】

たいようの光とひまわり

タイトル:たいようの光とひまわり

作者:地域活動支援センター たいよう(高知県)

【作者メッセージ】
太陽の光をいっぱい浴びて育ったひまわりの様に、たいようのメンバーも元気で明るく、そして、まわりを楽しく笑顔にし、希望の光となるよう、一人一人が一生懸命縫い上げました。

正方形や長方形など様々なカタチをした色とりどりの四角形のピースで自由にパッチワークされ、仲間とワクワクしながら作品制作し完成させるまでの勢いと遊び心が感じられました。

村上さん(patch-work)

背景に色や柄の異なる四角の布を想い想いにピースワークされ、色のトーンや素材の異なる布の配置のバランスが絶妙で、スタイリッシュでとても印象に残りました。中央に配置された向日葵の構図がダイナミックで、布と格闘し、また布を楽しみながら制作された姿が目に浮かびます^^

丸井さん(patch-work)

こもれび大賞 1点(賞金2万円)【小キルトの部】

高知家のてんこ盛り

タイトル:高知家のてんこ盛り

作者:小松 和惠(高知県)

【作者コメント】
「高知家」をキルトにしてみようということで作ったキルトです。高知県には、名所も名物もいっぱいあるので、欲張りな私は、一枚の皿鉢の中にあれもこれもと思いつくままてんこ盛りにしてみました。

『楽しい!』が伝わる元気が貰える作品ですね!空・海・陸と大きく3分割に分け、全体的に解りやすいシンプルで躍動感のある作品に仕上げています。招きネコから広がるキルトラインに笑ってしまいました^^

村上さん(patch-work)

アップリケや刺繍で制作された高知県のそれぞれの題材が一目見てわかるように上手く表現され、キルトからそれぞれが動き出し飛び出してきそうな作品ですね!周りのパイピングも中央と色やレベルと合わせられとても広がりのある作品に仕上がっています。

丸井さん(patch-work)

こもれび賞 1点(賞金1万円)【小キルトの部】

波

タイトル:波

作者:森 澄子(高知県)

【作者メッセージ】
ジーンズの生地3種類と生藍で染めた晒を使い、スラッシュキルトで波を表現してみた。できるなら、3メーターくらい離れてみてほしい。

スラッシュキルトでこの作品を表現された技術や視点に脱帽です。立体感を出すようにあえて異なるジーンズ生地を使用し、ほつれ感が幻想的な風景として上手く表現されていて、とても印象的な作品に仕上がっています。

村上さん(patch-work)

So cool !! カッコイイの一言です。作品上部の遠い波は細かく穏やかに見えるように、また手前になるにつれ波が荒く見えるように繊細かつ大胆に表現されている創造性が見事です。藍独特の様々な色彩のコントラストが岩肌を上手く表し、構図も素晴らしく完成度の高い作品です。

丸井さん(patch-work)

審査員:自然工房

「!」賞 1点(賞金1万円)【大キルトの部】

花冠

タイトル:花冠

作者:中村 孝子(奈良県)

【作者メッセージ】
幼い日の楽しい時間をキルトで表現したいと思いました。浜辺で妹と2人草花を摘み、花冠を作って時を忘れて遊んだ事。大好きな水色で浜辺のイメージと重ね合せました。砂浜を走る足音 浜辺にうち寄せる波 涼やかな風 すべてが楽しい思い出です。いつまでもこの楽しい時間が終りませんように。あの頃が遠い思い出になってしまいました。

作品の中に「!」と思う所のあるキルト作家にこの賞を受け取ってほしいと思います。△の数と色の美しさに「!」 形から入るのでしょうか?色から入るのでしょうか?どこから入ればこの様なキルトができるのでしょうか?この感性を持ち続けていただきたいと思います!

自然工房

審査員:浜田 啓さん(砂浜美術館楽芸員)

ひらく賞 1点(浜田啓氏の写真)【大キルトの部】

女工愛歌

タイトル:女工愛歌

作者:奈良女子大学 生活環境学部(奈良県)

【作者メッセージ】
ファストファッション―それはアジア諸国の女性たちが低賃金で縫っている衣服。そのことに気付かないで私たちは日常衣服として着ている。彼女たちと私たちは、見えない壁で隔てられていた。映画「女工哀歌」を見て、その世界が繋がった。私たちは高い服は買えないけれど、服を簡単に棄てない選択をするだけで彼女たちとの絆は強くなるかもしれない。だから、私たちの衣服をキルトにしよう。彼女たちを思い、そして「愛」をこめて。

うまいとか、ヘタとかはあります。しかし、この作品がどうして生まれてきたかも大切です。思いが伝わる作品です。

浜田 啓さん(砂浜美術館楽芸員)

審査員:来場者

砂浜美術館賞 1点(次回キルト展応募券)【大キルトの部】

ウエルカム香美

タイトル:ウエルカム香美

作者:パッチワークキルトサークルぽえむ
   (高知県)

【作者メッセージ】
3年前、サークルの作品展に展示する目的で、自分達の住んでいる香美市を絵キルトにしました。会員18人が協力して仕上げた思い出いっぱいの作品です。

審査員:来場者

砂浜美術館賞 1点(次回キルト展応募券)【小キルトの部】

四万十川と沈下橋

タイトル:四万十川と沈下橋

作者:稲垣 英子(愛媛県)

【作者メッセージ】
新緑の四万十川と沈下橋に憧れ、見に行き感動しました。ある日カレンダーに自分の撮った写真と同じ場所と思われる風景、四万十川の沈下橋を見つけて…また感動しました。この写真を想い出にと思い、作品にしました!

フォトギャラリー